米失業率が改善
5日のニューヨーク株式市場はダウ工業株30種平均が続伸、3か月半ぶりに2万7110.98ドルを回復。
5月の米国雇用統計が予想に反し大幅に改善したことで買いが殺到し、前日比829.16ドル高で取引が終了した。ナスダック総合指数も一時過去最高値を更新するなど、異常ともいえる相場状況が続いている。
米国では、新型コロナの感染拡大を受け多くの州でロックダウンが実施され、4月の非農業部門雇用者数は2050万人の減少となり、戦後最悪を更新。失業率も14.7%へと上昇しおよそ7人に一人の国民が職を失う事態となった。
業種ではサービス、娯楽部門などでの雇用減少が顕著に表れ、レストランなどで働く低賃金労働者が大量に解雇されたことで、4月の平均労働賃金が大幅に上昇するという場面も見られていた。
一時期に比べ落ち着きを見せているものの、失業保険申請件数は依然として高い数値を保っており、失業保険の継続受給者数も、5月23日の週で予想に反し2,148.7万人とやや悪化、こういった材料により、失業率は19.6%へとさらなる上昇が見込まれていた。
しかし、米労働省が毎月発表する5月の非農業部門雇用者数は前月比で250万人の増加となり、750~800万人減少との予測と比べ1000万人の差が生じる結果に。
失業率は大方の予想を大きく外れ低下し13.3%となり、依然として高い数値ではあるものの、新型コロナの感染拡大による経済停滞から想定以上の速さで抜け出しつつあるとの見方も散見される。