- TRONの開発状況について
- メインネットの導入を当初の予定より1ヶ月ほど早めた5月31日に設定したTRONですが、その開発状況についてユーザーの疑問は残ります。TRON開発チーム技術部代表のLucien Chen氏から、TRONの開発状況について説明がなされました。
予定より早いメインネットの導入
TRON技術部のディレクターであるLucien Chen氏は、TRONメインネットの導入を当初予定していた7月1日から5月31日に早めたと発表しました。
メインネットの導入に先立ちテストネット版が3/31にローンチする予定であり、フルノードで起動し、カスタム仮想通貨の反映、取引の送受信、投票システムの利用が可能になります。
ロイター社の取材にてChen氏は
今回のメインネット導入では、ユーザーのニーズ調査を行い実装予定の機能の優先順位を整理しました。
5月に導入されるメインネットは最優先で実装すべき機能を含んでおり、優先順位が低い機能については数か月後のアップグレード時に反映される予定です。
と述べました。
TRON開発ロードマップ:TRON公式HPよりTRONの開発ロードマップでは開発初期のフェーズを「Exodus」、次段階の開発フェーズを「Odyssey」と名付けています。
ExodusプロジェクトではTRONプラットフォームのメインネット導入を最終目標とし、2018年12月までに当プロジェクトを終える予定です(TRON公式medium)。
さらに、Exodusプロジェクトに続くOdysseyプロジェクトが2019年1月に始動し、ブロックチェーン技術を基盤としたエンターテイメントコンテンツのプラットフォーム構築に向け本格的な開発が開始する予定です。
トリプルデッカー
TRXトークンは一時最高値の0.3ドル≒31.6円まで上昇しましたが、今年1月には0.02ドル(約2.1円)まで下落しました。
多くのTRXトークン投資家らがコインを手放す中、そもそもこのトークンの利用価値について数々の疑問が浮上しています。
開発チームの技術部代表であるChen氏がこの疑問についてコメントしました。
彼の発言によると、TRONのアーキテクチャは3層で構成されています。
まず一つ目がストレージレイヤーです。
Chen氏はストレージレイヤーについて以下のように言及しています。
ストレージレイヤーでは、ブロックストレージ及びステートストレージを含むTRONのユニークな分散型ストレージプロトコルをデザインしました。
さらに、幅広いニーズに応えるためにグラフデータベースを導入しました。
二つ目の層はコアレイヤーと呼ばれ、
この中間層では、スマートコントラクトのモジュール、アカウント管理、コンセンサスなどの設計をしています。
スタックベースのバーチャルマシンを導入しインストラクション(動作命令)セットを利用します。
また、デベロッパーのDapp開発のためにJavaをコントラクト言語として選択しましたが、今後はさらに対応言語が追加される予定です。
TRONのコンセンサスアルゴリズムはPoSを採用する予定です。
とChen氏は解説しました。
最後に、三つ目の層として「デベロッパーがインタフェースを利用して独自のDappとウォレットを導入することが可能な」アプリケーションレイヤーがあります。
キラーアプリ
技術的な情報は別として、チームはTRXトークンの長期的な成功とその通貨の採用例を模索しています。
Chen氏は、TRONプラットフォームを利用した「キラーアプリ」によってこれが実現されると語ります。
もう一つの魅力はTRONのメインネットで導入される「キラーアプリ」です。
ブロックチェーン技術だけにフォーカスするのではなく、ブロックチェーンプロダクトのユーザーエクスペリエンス(顧客体験)にも力を注いでいます。
とChen氏は語ります。
Chen氏はキラーアプリの詳細について多くは語りませんでしたが、以下のようにユーザーの好奇心をくすぐるような発言も見られました。
本開発チームでは、ゼロ知識証明やリング署名を利用したモジュールの開発にも着手しています。
そして、匿名プロトコルをTRONのプロトコルレイヤーに追加する予定です。
TRONの成長と共に、ユーザー、デベロッパーのニーズを基に新たな技術を追加していく予定です。
TRON’S MAINNET IS COMING SOONER THAN EXPECTED — BUT WHAT IS IT?
ADAM JAMES · MARCH 4, 2018
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