はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアムクラシックの再編成は「51%攻撃」だったのか?取引所で入出金停止の事態に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサイアムクラシックがリオーグ

仮想通貨イーサリアムクラシックで、3000ブロックを超えるブロックチェーンの「再編成(リオーグ)」が起きたことが確認された。

8月1日、マイニング及びブロックチェーン分析を行うBitflyがETCのリオーグを確認し、ノードが同期を停止していることから「51%攻撃」の可能性があると警告。取引所に直ちに入出金停止し、調査するようツイッターで呼び掛けた。

最大手取引所バイナンスも、3693ブロックに及ぶリオーグを確認したとして、自動的にイーサリアムクラシックの入出金を停止した。

その後、ETCラボ及びETCコアのCEOであるTerry Culverは、今回の騒動の原因は「マイニング中にインターネットへのアクセスができなくなったマイナーによるもの」であり、悪意のある攻撃ではなかったと説明している。

イーサリアムクラシックとは

The DAO事件の対応で実施されたハードフォークをめぐり一部開発者が反発したことで、イーサリアムから分裂して新たに誕生したスマートコントラクト機能をもつ非中央集権プラットフォームのこと。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

リオーグの経緯

ブロックチェーンのリオーグ(reorganization=再編成・巻き戻し)は、2つのチェーンがその有効性についてノードからの承認を競う際に起こり、最終的にはどちらかのチェーンがハッシュパワーの過半数を獲得することで、正統なチェーンとして継続することになる。

北米時間8月1日早朝に起こった、今回のイーサリアムクラシックのリオーグについては、2日、ETCラボが正式声明を出し、その経緯を次のように説明した。

  1. あるマイナーが、約12時間にわたり、オフラインで3500ブロック相当をマイニングし、その後オンラインになった時点(ネットワークにブロードキャストした時点)で、大規模なチェーンの再編成が発生した。
  2. OpenEthereum/Parityのノードはこの大規模なチェーンの再編成を処理できず、ネットワークと同期されなかった。
  3. イーサリアムクラシックのクライアントOpenEthereum/ParityとOpen-ETCが、不明のバグにより正常に機能しなくなっており、マイノリティのチェーンが分裂した。

ETCラボは、チェーンの大部分は正常に動作しており、ネットワークは安全だと述べているが、ETCノードの運営には、「Core-geth」か「Hyperledger Besu」のいずれかのクライアントのみを使用するように推奨している。なお、現在、不正規となったチェーンをマイニングしていたマイニングプールは、Core-gethに移行しネットワークと同期しているという。

また、7月31日から8月1日にかけて取引を行ったETCユーザーに対しては、取引が正常に行われたかどうかの確認を要請している。

51%攻撃だったのか

今回の再編成が「51%攻撃」だったかどうかについては、検証が続いている。

ETCラボ及びETCコアの創設者、James Woは、51%攻撃ではないとツイッターで主張している。

一方、ETCの開発と発展を支える「ETC Coop」は、今のところ、二重支払いは確認されていないが、今回の再編成に関しては「ETCに対する51%攻撃が起こった」とし、ブロックチェーン・データ解析ツールを提供するBitqueryも「51%攻撃」として、今回の再編成を分析している。

Bitqueryが問題視しているのは、再編成時に問題の原因となったマイナーがオフラインでマイニングした3500以上ものブロックが、他のマイナーが構築していたチェーンよりも「重み」を持っていたため、最終的に採用されてしまったという点だ。

BitqueryはOpenEthereumベースのノードを運営していたため、問題となったマイナーの一連のブロックを受け入れず、「古い」フォークされたチェーン上に残ったという。それが幸いして、両方のフォークデータを所有しており、今後、両チェーンを照合し調査することが可能であり、全ての利害関係者とデータを共有し分析する用意があるとのこと。

そして、今後も、同様の「事故」は、PoW(プルーフオブワーク)コンセンサスのブロックチェーンで起きる可能性が排除できないため、慎重な分析と検証が必要だと述べている。

イーサリアムクラシックは、昨年1月にも51%攻撃を受けており、米コインベースをはじめ、国内でもビットフライヤーやコインチェックが入出金を停止する措置をとった。

OpenEthereumのETCからの離脱

今回のリオーグが発生した要因の一つに主要クライアントであったOpenEthereumが正常に機能しなかったことが挙げられているが、OpenEthereumは先月、イーサリアムブロックチェーンのサポートに集中するため、ETCへのサポート打ち切りを発表していた。ETCノードの半数がOpenEthereumを使用していたという。また、Multi-gethクアイアントもETCサポートを停止している。

2016年、ハッキングにより大量のイーサリアム(時価50億円相当)が流出した「The DAO事件」をきっかけに、イーサリアムから分岐して誕生したイーサリアムクラシック。6月には最新アップグレード「Phoenix」により、イーサリアムと完全な互換性を持つようになったが、イーサリアムが今年中に予定している、PoS(プルーフオブステーク)コンセンサスを基盤とするETH2.0へ移行すると、事情は変わってくる。

PoWにこだわるイーサリアムクラシックの今後は、今回のリオーグに見られるような、ネットワークの脆弱性をいかに改善していくかにもかかっていると言えるだろう。

出典:Ethereum Classc Labs

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/18 金曜日
13:55
米サムザップ、仮想通貨投資枠370億円に拡大 XRPやDOGEなど6銘柄追加承認
米上場のサムザップメディアが17日、取締役会で仮想通貨投資枠を2.5億ドルに拡大と発表。イーサリアム、ソラナ、XRP、ドージコイン、ライトコイン、USDCを新たに投資対象に追加。
13:30
ハミルトン・レーンのSCOPEファンド、マルチチェーン化
資産運用大手ハミルトン・レーンのプライベートクレジットファンド「SCOPE」がイーサリアムとオプティミズムでマルチチェーン化した。セキュリタイズとワームホールが提携し実現している。
13:20
美容企業コンヴァノ、総額4億円のビットコイン購入を決議
東証グロース上場のコンヴァノが総額4億円のビットコイン購入を決議。インフレヘッジと財務基盤強化を目的に暗号資産保有事業を開始。専門部署「ビットコイン保有戦略室」を新設し、7月末までに購入完了予定。
12:26
スイの注目プロジェクト「Walrus(WAL)」、将来性・購入方法を解説
Walrus(WAL)は分散型ストレージであり、暗号資産(仮想通貨)です。Sui Networkを活用した高度な技術、将来性、買い方、投資リスクまで徹底解説。
11:40
仮想通貨市場の時価総額が初めて4兆ドル突破、上昇余力は?=指標が示す動向
マーケットアナリストは仮想通貨ビットコインの短期保有者利益率13%で過熱感なし、13万7000ドル突破で大量売却の可能性を指摘。ビットコイン優勢に陰り、アルトシーズン指標点灯でアルトコインへの資金回転開始の兆しも。
10:25
サトシ・ナカモトのビットコイン資産推定20兆円、ビル・ゲイツ氏を上回る
仮想通貨ビットコイン価格上昇により、BTC創設者サトシ・ナカモトの資産が約20兆円に達し、ビル・ゲイツ氏らを上回る世界11位の億万長者となった。
10:00
Ondo Finance、米国債と銀行預金に裏付けられた「USDY」をSeiネットワークに導入
Ondo Financeが短期米国債と銀行預金に裏付けられたトークン化商品「USDY」をSeiネットワークに導入。高速処理と並列実行を特徴とするSei上で、DeFiやDAOでの活用が可能に。
09:50
「トランプ政権は仮想通貨の少額免税措置を支持」報道官
米報道官は、トランプ大統領と現政権は仮想通貨の少額免税措置を支持していると発言。仮想通貨決済を容易で効率的にする狙いがあると説明した。
09:45
仮想通貨ほぼ全面高、米下院3法案可決の歴史的ウィークに|仮想NISHI
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(
09:20
アダム・バックのビットコイントレジャリー企業BSTR、3万BTC保有で上場へ
ハッシュキャッシュ発明者アダム・バック氏率いるBSTRが15億ドル調達でSPAC合併。3万21BTCの保有で上場企業ビットコイン資産4位の規模となり、機関投資家向けサービス展開へ。
07:55
XRPが史上最高値を更新、米仮想通貨法案の可決などが追い風に
XRPが12%上昇し史上最高値3.5ドルに到達、時価総額2050億ドルで第3位に。米下院の仮想通貨法案可決とリップル社SEC和解申請が追い風となり大幅上昇。
07:20
コインベースのL2「Base」、10倍の高速化を実現
仮想通貨イーサリアムのL2「Base」のプロジェクトは、Baseの処理が10倍速くなったことを発表。ゲームやリアルタイムのトレードなど、速い処理が必要なユースケースでの活用が期待される。
06:55
9兆ドルの年金市場に仮想通貨投資解禁へ、トランプが大統領令準備=報道
トランプ大統領が401k退職金制度への仮想通貨、金、プライベートエクイティ投資を解禁する大統領令を準備。9兆ドル規模の退職金市場開放で投資選択肢が大幅拡大される見込み。
06:30
シャープリンク、ETH追加購入のため最大60億ドルの株式発行へ
シャープリンク・ゲーミングがA.G.P.との契約を改訂し、最大60億ドルの普通株発行へ。調達資金は主に仮想通貨イーサリアムの追加取得と運転資金に活用。
06:00
ピーター・ティール出資のビットマイン、ETH保有額が1500億円超に
米上場のビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが7月17日、仮想通貨イーサリアム保有量30万ETH突破を発表。10億ドル超の評価額でシャープリンクとともに上場企業最大。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧