685億円相当のビットコインETFを保有
米ハーバード大学がブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」の保有を大幅に増やし、9月30日時点で681万3,612株(4億4,288万ドル=685億円相当)を保有していることが、米証券取引委員会(SEC)への提出書類(13F)から明らかになった。
これは、前四半期の190万6,000株から257%増加した形だ。
この投資は第3四半期最大の増加であり、IBIT(iShares Bitcoin Trust)は、同大学が開示した米上場株式保有額の中でポートフォリオの21.04%を占める最大の保有銘柄となった。
ハーバード大学が運営するエンダウメント基金(寄附金運用基金)は約570億ドル(約8兆8,140億円)で、フォーブズ誌によると全米大学中最大の規模を誇る。ロイターの報道によると、公開株式に投資されているのは、同基金の14%に過ぎず、今回明らかになったIBITへの投資額は同基金の1%にも満たない。それでもなお、IBIT保有者の中では16位にランクインする規模となっている。
また今回の開示では、同基金が金(ゴールド)現物に裏付けられたETF「SPDR Gold Trust」を66万1,391株(2億3,500万ドル=363億円相当)保有しており、保有株数が99%増加したことも明らかになっている。
ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、伝統的にリスクに慎重なハーバード大学のエンダウメント基金が上場投資信託(ETF)に投資するのは極めて異例だと指摘。「ビットコインETFにとって、これ以上のお墨付きはない」と述べた。
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長期的な視点
一方、ビットコイン価格は、10月の高値(約12万6,000ドル)から20%下落し、現在は9万3,000〜9万6,000ドル前後で推移中だ。直近1週間では5%以上の下落を記録している。
しかし、ハーバード大学をはじめとする長期投資家は、ビットコインを価値保存資産と見なし、投資に本腰を入れ始めたようだ。
米ジョージア州のエモリー大学は、第3四半期にビットコイン投資を強化し、グレイスケール・ビットコイン・ミニ・トラストの保有株数を2倍以上に増やした。SECへの報告書によると、第2四半期末時点で、エモリー大学は同ファンドの株式を50万株弱保有していたが、9月30日時点では、100万株以上を保有している。
米テキサス州のオースティン大学は2月に2億ドル規模の基金の一部として、500万ドルのビットコイン専用ファンドを立ち上げた。これは米国の大学基金初のビットコインに特化した投資となる。
ウィスコンシン州投資委員会は、ビットコイン関連商品への州年金としては最大級の割り当てとなる600万株以上、3億8,730万ドル相当のIBITを保有している。
ミシガン州退職年金制度は、第2四半期にビットコインETFの保有を3倍に増やし、30万株(1,140万ドル相当)を保有している。また、グレイスケール・イーサリアム・トラストを通じて、1,360万ドルのイーサリアムも保有する。
エンダウメント基金は、通常、大学や病院、宗教団体などの非営利団体を支援するために設立される長期投資ファンドで、年金基金と同様、比較的保守的な戦略を好む傾向がある。通常、ETFへの投資を避け、プライベートエクイティや不動産などへの直接投資が中心となっている。
そのため、ハーバード大学による今回のIBITへの投資は特に注目に値する動きと見られている。
ブラックロックが提供するIBITは、ビットコインETFでトップの地位を確立しており、上場以来の累積純流入は654億ドル(約10兆円)。2位のフィデリティFBTCの126億ドル(約2兆円)を大きく引き離している。
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