はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「公共事業の透明性を高めるブロックチェーン」ドイツ議会で否決

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

公共事業の透明性を担保するブロックチェーン

ドイツの自由民主党(FDP)が、公共事業の透明性を上げ、市民の信頼を取り戻すためにブロックチェーン導入を提案していたことが分かった。この法案は最終的に議会で否決された。

この法案が提出された背景としては、ベルリンに建設中のブランデンブルク空港(BER)計画が国民の信頼を失っていることがある。

この空港は今年の10月末に開港予定だが、当初は2011年10月開港が予定されていたもので、もう9年間も建設が遅れているという。

建物自体は完成しているものの、消防設備が作動しないなど多くの設計ミスが見られ、再三オープンが延期されてきた。また、予算面でも少なくとも40億ユーロ(約4900億円)予定より超過しており、公共事業の失敗事例とみなされている。

この計画に関してFDPは次のように主張。

政府請負業者の管理能力に対する市民の信頼は、この空港計画失敗のために大きく低下した。税金で賄われた大規模プロジェクトを納税者にとってより透明性の高いものにすることを目標にしなければならない。

このためのソリューションとして、FDPはブロックチェーンを提案した格好だ。

公開ブロックチェーン上で市民は監査状態を閲覧し、簡単にフィードバックを提供することも可能になる。

法案は、非効率的な計画や実行手順はプロジェクトに全体的な影響を及ぼし、またコストの増加やスケジュールの順守の失敗に対する責任がどこにあるのかを判断するのは困難だと指摘。同様の課題に直面するロジスティクス分野でもブロックチェーン技術が採用されていると述べた。

また、フィードバック機能などによっても、致命的な可能性のある計画エラーを早期に検出できるようになり、責任の所在が明確化され、公共事業への市民の信頼を回復、税金の無駄を防ぐことができると主張した。

また、スマートコントラクトにより処理を自動化し、関連する労力を軽減、会計を明確化するメリットについても説明している。

しかし、連邦議会の建築委員会の他のメンバーは同意せず、最終的にこの提案は、連邦議会で否決されることになった。

証券のデジタル化に取り組むドイツ財務省

今回の件ではブロックチェーン導入が否決されたが、他の部分でドイツ政府はブロックチェーンの採用に向けて踏み出している。

先月、ドイツ連邦財務省は、電子証券の導入に関する草案を発表。ブロックチェーン技術を基盤とした、証券のデジタル化のための法的枠組みを整備するという。

この新法は、ドイツ政府のブロックチェーン戦略の中核をなすものとされる。

現行の証券法では、有価証券に分類される金融商品は紙の証書の発行が義務付けられていた。しかし、デジタル化が進む今日、紙の証書に代わり、法的な所有権を保証すると同時に市場性の高い機能を持つものが求められていた。

ブロックチェーン導入により、投資家保護を行いつつ、金融市場の透明性や機能性を高めることにも貢献する見込みだという。

関連:ドイツ財務省、ブロックチェーンで「証券デジタル化」する法案を発表

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/12 土曜日
14:00
テザーUSDT、5ブロックチェーンでサービス終了へ 9月1日から償還停止
世界最大のステーブルコイン発行企業テザー社が、アルゴランドやビットコインキャッシュなど5つのレガシーブロックチェーンでのサービス終了を発表。9月1日から償還停止。
13:15
ビットコイン上昇の背景に「大きく美しい法案」=The Kobeissi Letter
アナリストが米トランプ政権の「大きく美しい法案」が仮想通貨ビットコイン上昇の背景にあると分析した。米ドル下落と歩調を合わせてビットコインは過去最高値に到達したと指摘する。
11:32
NYSE上場DDC、アニモカブランズと1億ドル規模ビットコイン戦略提携発表
NYSE上場のDDCエンタープライズがアニモカブランズと1億ドル規模のビットコイン戦略提携を発表。企業の仮想通貨準備金戦略の新たな枠組みを構築し、収益最大化を目指す。
10:40
アーサー・ヘイズがアルトシーズン到来を予想 その背景は?
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏がビットコイン史上最高値更新を受けて強気転換。イーサリアム主導のアルトシーズン到来を予想し、投資ファンドで積極投資を再開。
10:10
イーサリアム、「世界最大のZKアプリ」に メインネットにゼロ知識証明を導入へ
イーサリアム財団が1年以内にメインネットへzkEVMを導入するロードマップを発表した。ゼロ知識証明技術でスケーラビリティとプライバシー保護を強化する計画である。
09:40
カリフォルニア州仮想通貨決済法案、ビットコイン除外でステーブルコインに限定
カリフォルニア州のAB1180法案が上院委員会で修正され、ビットコインなど仮想通貨を除外しステーブルコインのみの決済受け入れに変更。可決されれば2029年施行予定となる。
09:00
ATH更新のビットコイン、今後の価格はどうなる?【価格予測まとめ】
ビットコインが史上最高値を更新する中、スタンダード・チャータード銀行、ARKインベストなど主要機関・専門家による2025年末〜2030年の価格予測をまとめた。
08:30
グレースケール、仮想通貨投信のETF申請は「自動承認された」と主張
グレースケールが米SECによる仮想通貨ファンドETF化承認停止に反発。240日期限切れによる自動承認を主張し、投資家への損害を指摘。
07:30
イーサリアム、5カ月ぶりに3000ドル突破
仮想通貨イーサリアムの価格は節目となる3,000ドルを約5カ月ぶりに突破した。価格上昇の要因には、ETFへの資金流入や企業購入の増加などが挙げられる。
07:10
ビットコイン11.8万ドル突破も売り圧力低下、長期保有者は静観か=グラスノード
仮想通貨ビットコインが史上最高値11万8000ドルを更新する中、取引所流入量は2015年以来最低水準に。グラスノードとクリプトクアントが売り圧力減少の実態を分析。
06:20
Upexi、2億ドル調達でソラナ保有量を165万SOLに拡大予定
ナスダック上場のeコマース企業ウペクシが2億ドルの私募調達を発表。ビッグブレイン・ホールディングスが主導し、ソラナ保有量を73万6000枚から165万枚に倍増へ。
05:55
シャープリンク、イーサリアム財団から1万ETH直接購入
ナスダック上場のシャープリンク・ゲーミングが、イーサリアム財団から1万ETH(約37億円)を直接購入。同社のETH保有量は215,634枚となり、世界第2位の企業保有量を拡大。
07/11 金曜日
18:44
リミックスポイント、第4回無担保社債の20億円でビットコイン買い増し
リミックスポイントが7月11日、第4回無担保社債の調達資金20億円でビットコイン116.72BTCを取得。総保有量は1,168BTCに増加し、今後も約295億円の追加投資を計画。
18:31
金融庁、「暗号資産・ブロックチェーン・イノベーション参事官」を新設 資産運用改革室長など歴任の今泉氏が就任
金融庁が総合政策局に「暗号資産・ブロックチェーン・イノベーション参事官」を新設。今泉宣親氏が就任。従来の規制中心から技術革新促進への政策転換を示唆。暗号資産ETF承認や税制改正への期待が高まる。
18:03
「金持ち父さん」著者がビットコインを選ぶ理由とは?“いまさら聞けない”投資哲学も解説
『金持ち父さん貧乏父さん』著者のロバート・キヨサキ氏が、仮想通貨投資家から大きな注目を集めています。本記事では、キヨサキ氏の主張から仮想通貨投資のポイントや経済的自由を獲得する手段を探ります。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧