はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

日本企業と共同開発した中銀デジタル通貨、正式運用開始──カンボジア「バコン」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

カンボジアで中銀発行デジタル通貨の正式運用

カンボジアで中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)が28日より正式運用を開始。カンボジア国立銀行と、日本のソラミツ株式会社が開発を行ってきたものだ。

リテール取引と銀行間決済を支えるシステムであり「バコン」と名付けられている。

ソラミツが開発に寄与した許可型ブロックチェーン「ハイパーレジャーいろは」を使用、昨年7月より、カンボジア中銀はパイロット運転を開始していた。すでに約20の金融機関がプロジェクトに参加、今後もさらに数10の金融機関が加わる見込みだ。

金融包摂を推進

「バコン」の最も大きな目的は、金融サービスへのアクセスが限られる人々の多いカンボジアで金融包摂を強化する可能性を探ることだ。

カンボジアでは、15歳以上の国民のうち78%が銀行口座を持たない。その一方で、スマートフォンの普及率は150%となっており、銀行口座を必要としないバコンの決済システムは、金融包摂を推進する上で重要な役割を果たすと考えられている。

また、金融機関の効率を改善することや、国内で米ドルも広く流通している環境で、自国通貨リエルの使用を促進する効果も期待される。

 「バコン」の仕組み

リテール(個人向け)取引では、ユーザーはiOS / Androidアプリを介して電子ウォレットにアクセス、QRコードをスキャンするか、電話番号をタップすることで、ウォレットから支払いや送金を行うことが可能だ。通貨は米ドルとリエルを取り扱う。

独自のコンセンサスアルゴリズムにより、分散型台帳全体の取引を検証、不正のリスク、二重支払い、カウンターパーティリスクを削除する仕組みを取る。

また、「バコン」は、過去にカンボジア国立銀行が整備した様々な金融インフラを活用し、その機能を改善するようにも設計されている。

従来の関連データベースを、ブロックチェーン分散台帳に置き換えることで、ハードウェア障害や改ざんなどに耐性を持つ銀行間決済システムが実現。従来のPOSシステムや民間決済サービスも強化し、決済手数料が無料ではるかに高速の決済を可能にした。

ソラミツは他国や新市場への展開も準備

カンボジア国立銀行の中央銀行局長Chea Serey氏は、「バコン制度が正式に開始されたことで、社会福祉が促進され、現金を使わずに円滑に電子決済が行われるようになり、病気の蔓延を防ぐことができると期待している」とコメント。新型コロナウイルスの感染対策にもなると指摘した格好だ。

カンボジア金融技術協会の高官Pen Chenda氏は、「バコンは現金の取り扱いに伴う費用やリスクを減らすため、特に中小企業に恩恵をもたらす」と述べた。

また、ソラミツホールディングスのCEO、武宮誠氏は「中央銀行から私たちの技術が認められたことは光栄」として同社の今後の展開として、他の国や新しい市場に展開するための技術を準備していると語った。

バハマのCBDC「サンドダラー」

中央銀行デジタル通貨(CBDC)を実際に運用開始した国はまだ少ない。

今月にはバハマが世界でも先駆けて、政府発行のデジタル通貨「サンドダラー」の実利用を開始した。

サンドダラーは段階的にリリース予定で、21日時点では、38万5000人の市民が携帯機器にダウンロードできるウォレットで取引処理できるようになったと発表している。中央銀行が承認したデジタルウォレットを搭載しているすべての加盟店で決済が可能なシステムとして普及を目指す。

バハマは、特にハリケーンなどの自然災害で現金に依存できなくなる状況を想定して、緊急時のワイヤレス通信を可能にするデジタル通貨の計画を進めていた。

関連:バハマ、中銀デジタル通貨(CBDC)の実利用開始

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/28 土曜日
09:45
ポリマーケットの評価額10億ドルに達する見込み USDCにも恩恵か=コインベース
分散型予測市場ポリマーケットが2億ドル資金調達しユニコーン企業になる見込みだ。コインベースは、ポリマーケットの台頭はステーブルコインUSDCにも恩恵になると分析している。
08:50
ストラテジー株トークンなど主要銘柄、Gemini EU向株式サービス開始
仮想通貨取引所Geminiが欧州連合でトークン化株式サービスを開始。マイケル・セイラーのストラテジー株を皮切りに、24時間365日取引可能な新金融サービスを提供する。
08:00
ブータン、ビットコイン保有額が13億ドルに到達
ブータンが、仮想通貨ビットコインを13億ドル相当保有していることが注目を集めている。この保有額は同国のGDPの40%に相当する。
07:55
リップル、SEC相手の控訴を取り下げ 5年間の法廷闘争が終結へ
リップル社のガーリングハウスCEOが28日、SEC相手の控訴を取り下げると発表。約5年間続いた法廷闘争が終結し、同社は事業発展に注力する方針を示した。
07:10
米仮想通貨銀行アンカレッジ、USDC等の段階的廃止発表 業界から「利益相反」批判
米仮想通貨カストディ銀行アンカレッジがUSDCとAUSDの段階的廃止を発表、ステーブルコイン安全性評価で業界から自己利益優先との批判を受ける。サークル株価は15%と大幅安。
06:49
韓国カカオペイ株急落、ステーブルコイン規制懸念が背景か=報道
韓国カカオペイ株がステーブルコイン参入期待で急騰後17%下落、投資リスク銘柄指定で売買停止。米サークル株も15%安と波及か。
06:15
ロビンフッド、XRPとソラナのマイクロ先物契約を開始
米デジタル証券大手ロビンフッドがマイクロ先物でXRPとソラナを追加、ビットコイン金曜先物のマイクロ版も提供開始し仮想通貨商品を拡充。
05:55
トランプ大統領発言「ビットコインがドル圧力緩和」仮想通貨産業の雇用創出を評価
トランプ大統領が28日記者会見でビットコインのドル圧力緩和効果を言及、米国の仮想通貨産業構築と雇用創出への前向きな評価を表明。
06/27 金曜日
16:00
ブロックバリュー大西社長が語るAIインフラの未来|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のプラチナスポンサーとしてブース出展を決めた、ブロックバリューの大西基文社長独占インタビュー。「ジャパン・テクノロジーで日本の底力になる」をスローガンに、AIサーバーで日本のWeb3インフラ強化に挑む。
13:40
トランプ政権、7月に複数仮想通貨規制法案成立の見通しか=サックス仮想通貨特命官
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏が7月の重要法案成立の見通しを示唆。GENIUS法でステーブルコイン規制、CLARITY法で仮想通貨定義明確化へ。
13:10
インド与党BJP報道官、ビットコイン準備金導入を提唱
インド与党BJP報道官のバンダリ氏が、仮想通貨ビットコイン準備金の試験導入を提唱した。また、インドもブータンのようにBTC採掘を行う能力を持っているとも指摘した。
11:25
ビットコインマイナー収益低下もBTC売圧減退、保有量は2024年11月以来の高水準に=Cryptoquant
仮想通貨ビットコインマイナーの日次収益が2カ月ぶり低水準も売却圧力は限定的。大手マイナーの保有量は増加傾向が見られている。
10:10
ビットコイン時価総額2.5倍上昇予測、『ファンタスティック40』で最高の投資機会に=億万長者フィリップ・ラフォン
ヘッジファンドマネージャーのフィリップ・ラフォン氏は、仮想通貨ビットコインの時価総額が現在の2倍に達する可能性があると予測した。価格変動の低下も指摘している。
09:55
ビットコイン今後の見通し、利確減速もオンチェーン取引の低迷で上昇圧力は限定的か=Glassnode
ビットコインは10万~11万ドル圏で推移。地政学的緊張で一時9万8000ドルまで下落も反発。Glassnodeレポートによると利益確定の減速とスポット取引量低迷で新高値更新は困難な状況。
08:30
アセマネOne、世界の仮想通貨企業の株で運用する投資信託販売へ
アセットマネジメントOneは、世界の仮想通貨関連企業の株を運用対象にした投資信託を販売することがわかった。仮想通貨関連企業に特化した投資信託の提供は大手では初とみられる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧