ビットコイン14000ドル
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは31日、19年の最高値14,000ドル(147万円)を上回った。
売り圧力からその後急落するなど、価格が乱高下している。奇しくも10月31日は、サトシ・ナカモトの論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」が発表されて、ちょうど12周年の節目となる。
高値更新の背景には、相次ぐ好材料がある。例に、Square社やMicrostrategy社など、企業がビットコインを購入する新たな取り組みや、PayPalが仮想通貨売買サービスを発表したことなどが挙げられる。
また、シンガポールおよび東南アジアにおける最大手銀行「DBS銀行」が独自の仮想通貨取引所をローンチする予定であることや、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)がロシア3大銀行の「ガスプロムバンク(Gazprombank)」のスイス支店に対し、仮想通貨カストディおよび仮想通貨と法定通貨との交換業の提供を承認したことなど、銀行に関するポジティブな動きも確認されている。
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政府関連では、イラン政府が経済制裁による外貨不足を回避するために、デジタル資産関連の法律を改正。仮想通貨マイナーが採掘した仮想通貨を一時的に買い上げ、その仮想通貨を米ドルなどの外貨の代わりに輸入の貿易資金に充てることもわかった。
しかし、この動向については、経済政策逃れによる利用を懸念する米国の対応策に発展する可能性や、通貨主権に関する問題を提起させるとして、中長期の懸念材料とみる見方もある。
米大統領選が迫り金融市場が乱高下するなか、ビットコインはその存在感を一層強めつつある。