CoinPostで今最も読まれています

カナダ当局、ビットコインなど仮想通貨の脱税調査に本腰へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

20万人の取引データの引き渡しを要請

カナダの税務当局が、トロントを本拠地とする暗号資産(仮想通貨)取引所Coinsquareに対して、2013年初頭からの、すべてのユーザーに関する情報や書類を引き渡すよう、連邦裁判所に要請していることが分かった。

税務当局であるカナダ歳入庁(CRA)は、裁判所への文書の中で、Coinsquareのユーザーがカナダの税法に基づく義務を遵守していることを確認するために、すべての情報が必要であると述べている。

つまりCRAは、同取引所ユーザーがすべての収入を申告しており、資産を隠すために仮想通貨を使用していないことを確認する意向だ。

現地メディアは、おそらくCRAがCoinsquareのデータを過去の税務申告と対照して調査するのではないかと推測している。Coinsquareの抱える20万人以上のユーザーが一斉に調査対象となる格好だ。

CRAが仮想通貨取引について、これほど大量の情報を請求したのは今回が初となる。CRAのスポークスマン、Charles Drouin氏は次のように説明した。

仮想通貨の匿名性を考えると、カナダの納税義務への違反の規模を測定することは困難だ。しかしCRAは、仮想通貨でコンプライアンス違反を行う機会は多いと見積もっている。

カナダの税務当局は2018年に、仮想通貨関連の監査を実施するための専門部署を設立しており、2019年には当時実施していた54件の犯罪捜査について、オフショア脱税を行うために仮想通貨がますます多く使用されていると述べていた。

今回のような税務調査は、仮想通貨で税金を回避しようとするトレーダーや、非合法市場で仮想通貨を使おうと考える犯罪者への警告ともなりそうだ。

カナダの仮想通貨税制

カナダでは、仮想通貨取引について、事業所得かキャピタルゲイン(売買益)のどちらかに分類される。

事業所得とみなされる場合は100%が課税対象となるが、個人のキャピタルゲインの場合は、50%のみが課税対象だ。個人所得の場合、申告年や過去3年間に相殺する利益がない場合、損失を繰り越してキャピタルゲインを相殺することも可能。

課税対象となる行為には「法定通貨との交換、仮想通貨同士の取引、仮想通貨で商品やサービスを購入、仮想通貨で贈り物をする」などの場合が挙げられる。

日本の仮想通貨税制の問題点

日本の仮想通貨税制については幾つか問題点が指摘されている。

まず仮想通貨取引で得た利益が「雑所得」に分類されるため、所得税(税率45%)と住民税(税率10%)を合わせて、最大で55%の税率が課せられること、損益通算や繰越控除もできないことがある。

さらに少額決済のたびに確定申告を含む税金計算が必要になり、これは日常的な決済に仮想通貨を使う上でのハードルにもなり兼ねない。

こうした課題を反映し、2020年8月には、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が共同で、2021年度税制改正にあたり要望書を取りまとめた。

骨子としては以下の3点である。

  1. 暗号資産のデリバティブ取引について、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、デリバティブ取引に係る所得金額から繰越控除ができることを要望する。
  2. 暗号資産取引にかかる利益への課税方法は、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、暗号資産に係る所得金額から繰越控除ができることとする。
  3. 暗号資産取引にかかる利益年間20万円内の少額非課税制度を導入する。

しかし金融庁が10月1日に発表した「2021年度・税制改正要望項目」には仮想通貨への言及はみられず、少なくとも令和3年には税制改正に踏み切らない考えであることがわかった。

関連:金融庁が21年度「税制改正要望項目」を発表、仮想通貨は含まれず

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧