孫社長の見解
ソフトバンクグループの孫正義社長がイベントに登壇し、暗号資産(仮想通貨)ビットコインを「理解できない」と発言したことがわかった。ビジネスインサイダーが20日報じた。
孫社長は、米ニューヨークタイムズ主催のオンラインカンファレンス「DealBook」に参加し、2018年に友人の勧めを受け、個人資産の1%にあたる約200億円をビットコインに投資したが、「激しい値動きに気を取られ、5分ごとに値段をチェックし、自身のビジネスに集中できなくなった」と明かした。投資を取りやめたあとは、「気分が晴れた」としている。
2019年4月のウォール・ストリート・ジャーナルの報道では、孫社長はビットコインが最高値に近づいていた17年終盤に投資し、相場が急落した18年頭にビットコインを全て売却したことを報じており、その損失額は130億円に上るとの試算を行なっていた。
孫社長がビットコイン投資について公の場で話したのは今回初めて。仮想通貨市場、及びビットコインへの投資歴が明らかになった格好だ。
米国では、Square社やMicroStrategy社は会社の準備資産としてビットコインを購入。Jack Dorsey CEOやMicroStrategy社のSaylor CEOも個人でビットコインに投資を行うなど、上場企業に関連したBTC購入事例が続いている。日本企業の公表事例は乏しいが、米国などの事例やコロナ下の経済情勢などを鑑みて、行動に移す事例も出てくるかもしれない。
デジタル通貨には理解
ビットコインの投資に対しては理解が欠けていると孫社長は語ったが、デジタル通貨の利便性には肯定する考えを示した。
私自身はデジタル通貨が有用になると見ている。ただ、どのようなデジタル通貨なのか、どういった構造になるかは予測できない。
また、仮想通貨やデジタル通貨が無くなるとは考えていないものの、仮想通貨セクター以外のプロジェクトに焦点を当てたいと今後の展望を伝えたとしている。