最新ロードマップを公開
イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者が、大型アップグレード「ETH2.0」に関するロードマップの最新版を公開した。
3月に公開したロードマップにおおまかな進捗状況を示すバーを追加し、最近調整した内容を反映したと説明している。
最新版
3月公開のロードマップ
主な変更点には、以下の変更点がある。
- 各工程の進捗状況
- フェーズで区別するのではなく、主な工程を並列で進めることを明記
- シャーディングとロールアップの併用の可能性を追記
ETH2.0は今月1日、コアとなるビーコンチェーンが無事ローンチした。次世代チェーンとして機能するイーサリアム2.0は、コンセンサスアルゴリズムを「Proof of Stake(PoS)」へ移行する点や、シャーディングの実装など、大規模な変更を伴うことから、完全な移行にはまだ数年かかる予定。以下がイーサリアム財団が公開していた今後のロードマップで、まずは、フェーズ0として、ETH2のブロックチェーンに当たるビーコンチェーンをローンチした。
- フェーズ1:2021年(ユーザーが利用する「シャードチェーン」実装)
- フェーズ1.5:2021年(シャードチェーン・メインネット稼働、PoS移行)
- フェーズ2:2021年〜(シャードチェーンの全稼働)
今回ヴィタリック氏が発表したロードマップには、フェーズ0の先にあった工程から「フェーズ」という単語がなくなり、段階的に進めていくことを示す表現が削除された。
この点については先月に開催されたAMA(Ask Me Anything:なんでも聞いて)でもヴィタリック氏は、「各フェーズの開発を並行して進める方法を選択することによって、ETH2.0への移行を予想より早められる可能性がある」と述べており、並行して開発する方針を実際にロードマップに反映されていることが分かる。最新版には今後は各作業を独立させて並行して行うと明記している。
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今後の開発
フェーズという表現はなくなっても、次のステップはETH1.0とETH2.0のチェーンの合流に向けて、シャードチェーンの実装を進めていくことに変わりはない。
現在シャーディングのためのP2Pネットワークの準備は50%弱まで作業が進んでおり、これから監査、テストへと開発を進めていく計画だ。
今後導入が注目される機能としては、ノード機能を制限したライトクライアント、セカンドレイヤーのスケーラビリティソリューション「Rollups(ロールアップ)」、ETH2.0への移行を簡易化するStateless Clientが挙げられる。
特にETH2.0へのアップグレードの主要目的の1つがスケーラビリティ改善であるため、ロールアップには注目が集まっている。
ヴィタリック氏は上述したAMAで、1秒間のトラザンクションの処理スピード(TPS)について、ETH1.0のネットワークでもロールアップを活用すれば最大4000TPSまで可能だと説明。ベースとなるチェーンで行うよりもロールアップを利用した取引の方が、「最大で100倍安く送金できる」としている。
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