CoinPostで今最も読まれています

Lisk、Betanet v5をローンチ メインネットリリースへの計画を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

LiskがBetanet v5をローンチ

仮想通貨プロジェクトLiskが、Betanet(正式なテストネットローンチ以前の一時的なテストネットワーク)v5のローンチを発表した。これによりLisk Core(ノードに参加するのに必要なプログラム)にLisk SDK v5が適用され、Lisk Core 3.0.0-beta.2となった。今後は、最終的にメインネットへの実装を行うための各種テストが実施される。

Betanet v5の詳細

Betanet v5ローンチにあたり、新しいIDシステムを実装するNetwork Longevityフェーズの目標であったプロトコルの新機能が実装され、Lisk SDKのコードレベルの改善が行われた。以下ではv5のアップデートを抜粋して紹介する。

base32のエンコード、およびチェックサムをアドレスに採用

v5では、アドレスの新規フォーマットが実装された。この新規フォーマットにより、公開鍵をアドレスに紐付けるために必要だった「初期化プロセス」が不要になる。また、アドレスが衝突してしまう可能性が大幅に削減される上に、チェックサムにより間違ったアドレスへ送金してしまう可能性がほぼゼロに近くなるという。

Liskのアドレスには、公開鍵のSHA-256関数のうち160bitsが利用されている。v5のアップデートにより、この160bitsに、BIP173で提案されたBCHコードから生成される30bitのチェックサム(誤り検出記号)が追加され、さらにカスタマイズされたBase32エンコードが利用された形で、アドレスがユーザー画面に表示されるようになる。

具体的には、現在のアドレスは「16293716040102736949L」という形だが、今後は先頭に「lsk」を付けた合計41文字の文字列をアドレスとして利用することになる。BCHコードのチェックサム機能により、今後はアドレス打ち間違いがあると、間違った文字列が指摘される。

参考:仮想通貨リスク(LSK)とは?ロードマップから今後の将来性を解説|Lisk Japan寄稿

トランザクションID、およびブロックIDに完全なSHA-256を採用

v5では、トランザクションIDの衝突の可能性を減らすために、トランザクションの完全なSHA-256ハッシュ関数をトランザクションIDとして採用している。これにより、固有識別子としてトランザクションIDを安全に利用でき、ID衝突によるトランザクション拒否を回避できるようになる。

また、ブロックIDにもブロックヘッダーの完全なSHA-256関数を採用している。これによりLiskブロックチェーンのセキュリティが強化され、長期的な改竄不可能性も保証される。また、ブロックIDが衝突する可能性がないと仮定できるため、ブロック承認の際のブロックIDチェックが不要になる。

Banningメカニズムの導入

Lisk SDK4.0.0に追加されたDPoS(Delegated Proof-of-Stake)システムの主な機能に加え、Lisk SDK 5.0.0ではデリゲート向けにBanning(禁止)メカニズムが導入された。このメカニズムでは、50ブロック連続でフォージングに参加せず、フォージングブロック数が260,000ブロックに満たなかったデリゲートは、生産性が低いとみなされ禁止される可能性がある。

このメカニズムを実装するために、トランザクションにおける「取り消し」ステップが削除された。

Liskコマンダーのアップデート

Lisk Coreに関連するLiskコマンダー(コマンドラインのインターフェースツール)がLisk Coreに移行され、他のネットワークでも利用が可能になった。

Liskのバックエンド開発者遠田秀説氏は、7日に行われたAMA(Ask Me Anything/なんでも聞いて)にて、今後はLiskコマンダーがLisk SDKを使用したブロックチェーン開発のエントリーポイントになれるよう、コマンダーの改善にさらに注力していく予定だと語った。開発者が自身でブロックチェーンアプリケーションを構築できるようにするための機能が、今後のLiskコマンダーのマイナーリリースにて導入される予定だという。

組み込みデータベースシステムへの変更

これまでのPostgreSQLデータベースが、組み込みデータベースに変更された。これにより、Lisk SDK開発者にとっての複雑さが軽減される、データベースのストレージサイズが最適化される、異なるプラットフォーム間をサポートする可能性が開かれる、コードの読み書きのパフォーマンスが向上するといった利点がある。

今後の展開

Liskによると、現在はLisk SDK 5.0.0およびLisk Core 3.0.0-beta.2の外部セキュリティ監査が行われている。

Betanetのサイクル期間が短いため、今年中はv4とv5が両方とも稼働した状態が継続される。v4は来年初めに停止する予定だ。

v5のテスト、および外部監査が完了し次第、来年にはテストネットおよびメインネット両方のリリースが行われる計画だという。

出典:Lisk Blog

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/16 月曜日
15:00
テザーなどステーブルコイン発行企業4社、北朝鮮ハッカー集団保有の7億円相当を凍結
ステーブルコイン発行企業4社が北朝鮮ハッカー集団ラザルスの資金と思しき7億円相当の暗号資産(仮想通貨)を凍結した。3年間で280億円のマネーロンダリングも明らかに.。
14:45
コインベースCEO、ブラックロックへのビットコインIOU発行疑惑を全面否定
米大手仮想通貨取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、ブラックロックに対しビットコインの借用証明書(IOU)を発行し、相場操縦しているとの噂を全面否定。ETF運用について説明した。
14:23
イーサリアム次期アップグレード「Pectra」、2段階の実施案が浮上
イーサリアムの次期アップグレード「Pectra」を2段階で実施する可能性を開発者会議が検討中。Pectraの内容も解説。
11:00
仮想通貨ウォレット「BOSS Wallet」でのステーブルコインUSDTの保管方法を解説
ステーブルコインUSDTは、BOSS Walletのような仮想通貨ウォレットでチェーンに関係なく保管できます。この記事はBOSS WalletでのUSDTの保管の仕方についてご紹介します。
10:00
ユーザーファーストの分散型仮想通貨ウェアウォレットBOSS Walletとは
BOSS Walletは、ユーザー中心の分散型仮想通貨ソフトウェアウォレットであり、単一の秘密の復元フレーズで複数のウォレットを作成可能にしています。本記事は特徴や使い方を解説します。
09/15 日曜日
11:30
米CPI・FOMC影響でビットコイン相場が820万円に推移|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション懸念が高まる中、今週の暗号資産市場でビットコイン(BTC)は上下動。FOMCの動向が注目されている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米CPIとXRP投資信託に高い関心
今週は、米CPI、グレースケールのXRP投資信託の販売再開、米マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長によるビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。
09/14 土曜日
15:00
英高等裁「USDT含むステーブルコインは法律に基づく財産」と判決
英国の高等裁判所がUSDTを法的財産と認定。仮想通貨の法的保護を強化する判決に。背景となった訴訟の詳細を解説。
13:20
「RWAトークン化市場が1.7兆円規模に成長」バイナンスの最新リサーチ
バイナンスが現実資産(RWA)トークン化市場を分析。米国債トークンが牽引し、1.7兆円規模に。法的課題や今後の展望も解説。
12:00
リップルX幹部が語る対SEC裁判やIPO|WebX2024インタビュー
WebX2024でRipple(リップル)X幹部に取材。長年に渡る米SECとの裁判や株式上場(IPO)の可能性、仮想通貨ステーブルコインの開発、日本市場の重要性について語られた。
11:00
FTX前CEOバンクマン・フリード氏、25年懲役判決に控訴 再審求める
FTX破綻事件において詐欺などで25年の判決を受けたサム・バンクマン=フリード前CEOが控訴。支払能力があったと主張し、再審を要求。
09:38
バイナンスのソラナステーキング「BNSOL」、資産運用の新たな選択肢に
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは12日、独自のソラナリキッドステーキングトークン(LST)である「BNSOL」の提供を正式に開始した。
08:30
米SEC、「仮想通貨証券」の表現を削除
米SECがバイナンスとの裁判で訴状を修正し、仮想通貨証券という表現を削除した。その理由について述べている。
07:30
ワールドコインのワールドID、ソラナブロックチェーンで利用可能に
サム・アルトマン氏の仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」のオンチェーンIDである「ワールドID」はソラナ上でも利用できるようになった。
07:00
新経済連盟、2025年度税制改正提言を発表 暗号資産税制も含む
新経済連盟が2025年度税制改正提言を発表。暗号資産の申告分離課税導入やETF取り扱い可能化など、Web3支援策を提案。日本経済活性化と国際競争力強化を目指し、AI開発やスタートアップ支援も含む16の具体策を提示。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア