ライセンス申請していない企業には刑事罰の可能性
英国の金融行動監視機構(FCA)が暗号資産(仮想通貨)企業に向けてメールを送信、ライセンス登録を申請していない企業は、1月10日までに事業を停止する必要があると警告していたことが判明した。
The Blockが入手した電子メールの中によると、マネーロンダリング防止規則の範囲に該当する「すべての問題を慎重に検討し、可能であれば、金銭または仮想通貨を(ユーザーに)返却する必要がある」と書かれていた。
また、「既存の仮想通貨企業は、2021年1月9日までにマネーロンダリング防止およびテロ対策資金調達の目的でFCAに登録する必要がある」ことを指摘し、未登録でサービスを提供し続ける場合「2021年1月10日から刑事犯罪を犯している可能性があり、FCAの刑事および民事執行権限の対象となるリスクがある」と続けた。
FCAは、昨年(2020年)1月10日に、仮想通貨企業は翌年の同じ日付までにFCAに登録する必要があると通知していた。これまでに約90社を暫定ライセンス登録している。
消費者にも注意喚起
こうした企業へのメールとほぼ同時に、FCAは消費者に向けても注意喚起している。
FCAは公式サイトで、未登録の企業は1月10日以降、違法に営業していることになると指摘し、取引所などを利用する際は、まず「金融サービス登録簿または仮登録会社リストに掲載されているかどうかを確認する必要がある」と消費者に促した。
その上で、もし登録されていない場合は、事業継続する権利があるのかを事業者に尋ね、また消費者の仮想通貨や資金を、その取引所から撤回することを推奨している。
消費者に向けては、同時に仮想通貨の投資リスクについても警告した。
仮想通貨関連の投資では、何か問題が発生した場合に補償が受けられず「すべてのお金を失う可能性」があるとして、価格変動性の大きさや、製品の複雑さ、手数料の高さなどのリスク要因を挙げている。
仮想通貨それ自体のリスク以外にも詐欺プロジェクトについて注意喚起しており、「突然連絡を受けたり、迅速に投資するよう圧力をかけられたり、あまりに話のうますぎる高額なリターンを約束する宣伝文句には注意が必要」とした。
仮想通貨規制について広く協議する構え
英国財務省は、1月7日に仮想通貨とステーブルコインの規制について、広く業界及び利害関係者に意見を求めるため、協議文書を発表している。
仮想通貨やステーブルコインの適切な分類法や運用システムに対する規制、また分散型金融(DeFi)とネイティブトークンなど、30項目に上る仮想通貨規制に関する提案ごとに、コミュニティの意見を求めるものだ。
協議の一環として意見共有のため、官民両者参加のプログラム実施も予定しているという。
英財務省は「人々が新しい技術を安全かつ確実に利用できる最高の規制基準」の維持と「企業がイノベーションを起こせるような規制環境」の整備が不可欠としている。
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