仮想通貨投資商品への資金流入が急増
英暗号資産(仮想通貨)投資企業Coinshares社は25日、仮想通貨投資信託などの投資商品における、先週の週間資金流入額を算出したレポートを公開した。
先週の資金流入額は、13億ドル超(約1350億円)と高水準を記録した。資産別にはビットコイン(BTC)関連商品が資金流入全体の97%を占めた。同社は「今年はビットコイン価格の上昇スピードが速かったことから、投資家が値動きに敏感になっている」と説明している。
以下は、1週間ごとの資金流入額の推移を表したグラフ。先週以前は資金流入の少ない週が継続していた。
Coinshares社によれば、「米財務長官に就任するJanet Yellen氏の仮想通貨に対する発言と、BTCの二重払い報道などが原因でBTC価格が下落した可能性があり、投資家は買いチャンスとして注目している」と指摘している。
Yellen氏は20日の公聴会で、「新興金融技術がテロ活動に利用されているが、財務長官としてどう対策するのか」という議員の質問に対して、「多くの仮想通貨が不法利用に関わっているため、政府は仮想通貨プラットフォーム経由のマネーロンダリングを抑制する新たな方法を模索する必要がある」と回答。仮想通貨関連の活動を制限するための取り締まりや規制強化に動く可能性を懸念する見方が強まった。
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また先週は、BTCのブロックチェーンで瞬間的なチェーン分岐が確認され、2つのブロックの再編成を行う「Reorg」が発生。一部のメディアが、この分岐で二重払いが発生したと報じ、51%攻撃などの悪意のある攻撃や問題が起こる可能性を連想させる事例として、市場を混乱させる一因となったとの指摘もある。
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個別のデータ
Coinshares社が公開した資金流入データで、投資商品のプロバイダーごとの比較は以下だ。米大手仮想通貨投資企業グレースケールへの資金流入が1番多く、10.6億ドル(約1100億円)超だった。
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資産別の資金流入額は以下。先週のBTC投資商品への流入額は12.6億ドル(約1320億円)だった。
週間単位では記録的な資金流入額となった一方で、BTC投資商品への資金流入は、BTC取引の出来高全体の6.5%相当しかないとCoinshares社は説明。現時点で今年はBTC取引の出来高は高水準で推移しており、2020年の1日の平均出来高が22億ドル(約2280億円)だったのに対し、今年は123億ドル(約1.2兆円)だと説明している。