仮想通貨投資家は金にも投資すべき
金の採掘大手であるNewcrest MiningのCEO、Sandeep Biswas氏がブルームバーグTVに出演した。仮想通貨(暗号資産)の投資家は金にも投資したほうが良いとの主張を展開した。
ビットコイン(BTC)に対してBiswas氏は、「金は投資としてはクラスが異なる」とし、具体的には長い歴史を持つ大きな市場があることや、仮想通貨と比べボラティリティが低いことなどを挙げた。
まず第一に、(金は)触ることが出来る資産だ。見て触って感じることが出来るし、ジュエリーのように望むものは何でも形作ることができる。
オーストラリアを拠点とするNewcrest Miningは堅調な金価格などを受け好調な業績を発表、2021年の会計年度の半期決算では、一株当たり利益が前期比で121%増となっている。
金は複製できない
また、Biswas氏は金は複製できないとしてその希少性についても言及し、「その一方で仮想通貨はあちこちで増殖し続けている」と語った。
ビットコインは発行枚数に上限があることから、金と同じく希少性を持つ点が知られる。新型コロナの影響で大規模な景気刺激策等が行われる中、金やビットコインは共にインフレに対するヘッジの手段として比較されてきた。
一方で、ビットコインは過去にハードフォークが行われ、ブロックチェーンの分岐が起こっている。その結果として、ビットコインキャッシュやビットコインゴールドが生まれていることから、この点を指摘しビットコインの希少性に疑問を呈する声もある。
金融指数を提供するS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、先月ビットコインと金を比較するレポートを公開しており、金とビットコインの共通点は最近になり拡大している、との見解を示した。
大手資産運用会社を含め、市場参加者は両方を魅力的なインフレヘッジ(物価の上昇により相対的に通貨の価値が減少するリスクを回避すること)と見ているようだ。
関連:S&Pダウ・ジョーンズが分析、ビットコインとゴールドの共通点と違い