PayPalとCurvが数億ドルで買収交渉か
決済大手PayPalが、暗号資産(仮想通貨)の保管テクノロジーを提供する企業Curvを買収するために交渉を進めている模様だ。Coindeskが情報筋の内容として報道した。
Curvは2018年、イスラエル出身の起業家によって創業された企業。デジタル資産を保管し、転送を可能にする暗号化技術を開発している。
イスラエルメディアCalcalistとCoindeskの情報を総合すると、PayPalとCurvは2億ドル(約213億円)から5億ドル(約533億円)の範囲で買収交渉を行っていると思われる。
PayPalは2020年第4四半期に米国でビットコイン(BTC)など仮想通貨の売買サービスを開始。予想以上に需要があったために、週当たり購入限度額を1万ドルから2万ドルまで引き上げていた。
また仮想通貨売買サービスを数カ月以内に英国にも拡大する見込みだ。加えて傘下決済サービス「Venmo」のユーザーにも同様のサービスを広げる計画が進んでいる。
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PayPalは仮想通貨カストディ企業BitGoの買収を目指していたが、両社の間で折り合いがつかずに断念したと、2020年12月に報道されていた。その後、Curvの方に目を向けたとみられる。
クラウド型ウォレットを提供するCurv
Curvはこれまでに、Coinbase VenturesやDigital Currency Groupなどから3,000万ドル(約32億円)以上を調達。またDeFiプロトコルCompoundとの提携により、機関ユーザーが、イーサリアムブロックチェーンで利子を得られるようにした。
また、Curvは機関グレードの仮想通貨ウォレットサービスも提供。ソフトウェアのみで使えるクラウド型のウォレットで、トランザクションの監視を行う機能も存在。トランザクションを開始した者や署名した者、実行された手順、承認者、いつ承認されたかなど、取引全体を完全に記録しモニタリング可能だ。
Curvが開発した独自ソリューションとしては、秘密鍵をある1か所でのみ生成するのではなく、クラウドサービスとユーザーに分散した形で作成するものがある。
これは物理的またはバーチャルな1つの地点でのみ、秘密鍵を保持することのリスクを排除するものだ。
PayPalは仮想通貨サービスを提供するために、NY州の仮想通貨企業Paxosと提携しているが、仮にCurvの買収に成功すれば、独自の仮想通貨カストディソリューションなどを提供することが可能になるとみられる。