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「直近の金融市場が注目される理由、ビットコインは足元レンジで耐えられるか」bitbank寄稿の仮想通貨週次市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の相場の動きは

今週のビットコイン(BTC)市場は、株式市場のリスクオフなどを背景に大幅下落。上値の重い相場が展開された一週間となった。


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

各指標の騰落率一覧

3/5(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。

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月初来騰落率

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年初来騰落率

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(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)

(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)

2/27〜3/5のBTCチャート

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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週(5日正午時点)のビットコイン対円相場はレンジを形成し値固めの様相。

週明けの相場は、週末27日に米下院で1.9兆ドル規模の追加経済対策が通過したことで、早期の景気回復が意識され、米株先のリスクオンに連れて上昇。ゴールドマン・サックスのBTC先物取引再開の報道も後押しとなり、5万ドル乗せを試す展開を繰り広げた。

週央には、この度就任したギャリー・ゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長の上院での指名承認会で、暗号資産(仮想通貨)市場の不正と操作を排除するのは難題だとの発言が出て一時売りが入るも、米株先の上昇やアルトコイン高が追い風となり、一時は5万ドルに乗せた。

一方、3日発表のADP雇用統計が市場の予想を下回り回復が鈍化する結果となると、それまでの景気回復期待が打ち消され、リスクオフが波及。4日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演でも目星い手掛かりは得られず、むしろ長期金利の上昇を静観するスタンスが失望感を誘い、相場は上値を重くした。

第1図:BTC対円チャート(1時間足) 出所:bitbank.ccより作成

米長期金利上昇が注目されているが、背景にはインフレ高進懸念もあるため必ずしもBTCにとってマイナス要素ではないと見ている。ただ、実際にインフレが進んでいるサインがない限り3日〜4日のように金利上昇によるリスクオフが相場の重石となると言える。

雇用に関する指標は特に常用だ。「フィリップス曲線」で提唱されるように、失業率とインフレは逆相関すると言われており(例:失業率が高いとインフレ率が低い)、2月上旬の米新規失業保険申請件数減少や1月分の雇用統計上振れで市場の期待インフレも上昇する中では、BTC相場は長期金利と短期的に順相関していた(第2図)。

第2図:BTC対円チャート(月足) 出所:bitbank.cc、finance.yahoo.comより作成

さて、来週は10日に米消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。先月は市場の予想を下回り、緩慢なインフレがBTC相場の重石となったため、こちらには十分に注意したい。

3月のBTCは市場サイクル的に下落しやすい月となっているが、米経済が回復の軌道に乗りインフレの進行がより明確になるまで足元のレンジで耐えられるかがしばらくの焦点となろう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回レポート:湧く好材料でビットコイン580万突破、テクニカルで不穏な動き|bitbankアナリスト考察

関連:ビットコインの高騰理由を解説、加速する資金流入に「3つの要因」

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