戦略的提携関係を中止も再開の可能性を示唆
リップル社が米時間8日、送金大手マネーグラム社と共に現在の戦略的提携関係の中止を決定したことを発表した。
両社が提携関係を開始したのは19年6月からで、マネーグラム社は戦略の一環として仮想通貨XRP(リップル)を利用するODLなどを導入してきたが、リップル社に対する訴訟や、米国の不明確な仮想通貨規制を理由に提携中止に至った。
リップル社はリリースで、マネーグラム社と結んだ戦略的提携について、「期間は短かったものの、ODLとRippleNetで数十億ドル分の送金を処理していたなど、共に成し遂げた成果の影響は大きく、プロダクトは市場における一番最初のものだった」と評価。ブロックチェーンとデジタルアセットがグローバル決済を変えられると信じており、その目標に両社ともコミットしていると説明した。状況次第で、今後提携を結び直す可能性もあるとしている。
リップル社のGarlinghouse CEOは、提携関係の中止は、これまでも強く訴えてきた「米国の不明確な仮想通貨規制」がもたらした結果だと指摘している。
リップル社の訴訟とマネーグラム社
XRPの有価証券問題を巡り、リップル社はSEC(証券取引委員会)の提訴に対応中。
訴訟を受けマネーグラム社は2月、リップル社の決済ソリューションの利用を一時的に停止することを発表した。
同社は、規制当局との争いを避けたいといった考えを示しながらも、リップル社の取り組みを引き続き支持する姿勢を表明していたが、上場企業でもあるマネーグラムに対して情報開示の不透明性を指摘する集団訴訟にも発展するケースがあり、SECのリップル社訴訟による間接的影響が表面化しつつあった。
一部のマネーグラムの株式投資家らは3月2日、「マネーグラムがXRPに関して投資家をミスリードしていた」と主張し、同社に対して損害賠償を求める集団訴訟を求める書類をカリフォルニア州の裁判所に提出している。