リップル社がYouTubeと和解
米リップル社のBrad Garlinghouse最高経営責任者(CEO)は10日、YouTubeに対して起こした訴訟が和解に至ったことを報告した。
YouTubeが、暗号資産(仮想通貨)XRPを悪用した詐欺行為に対する対応を怠ったと提訴していたが、今後は詐欺を防止できるように協力していくとして和解したという。
Last year, @Ripple and I sued @YouTube for failing to enforce its own policies by allowing fake accounts (impersonating my/Ripple’s verified accounts) to conduct XRP giveaway scams. We’ve now come to a resolution to work together to prevent, detect and take down these scams. 1/3
— Brad Garlinghouse (@bgarlinghouse) March 9, 2021
リップル社とGarlinghouse氏がYouTubeを提訴したのは昨年4月。訴訟で問題視したのはXRPの「Giveaway詐欺」だ。これは後により多くの額を返金すると謳い、指定した額を先に送るように伝えて仮想通貨を騙し取る詐欺行為。英語で「無料配布」を意味する「Give Away」から名前が付けられている。
YouTubeが詐欺行為を放置したことで、リップル社とGarlinghouse氏はパブリックイメージやブランド、名声が傷つけられたと主張。世界のXRP所有者にも害が及んだと訴訟に踏み切った。
詐欺行為ではリップル社やGarlinghouse氏を装うアカウントを作成したり、Garlinghouse氏のインタビューを添付するなどして、信頼性を高める工夫が施されていた。
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Garlinghouse氏は今回の報告で、SNSのプラットフォームは仮想通貨詐欺に対する役割や対応に加わる必要性を認識し始めているとしながらも、問題解決を主導していくべきだと主張。「今は各国の政府が仮想通貨を注視している大切な時期なので、責任を持って行動しないと業界の信頼が失われるリスクがある」と指摘した。
なお、和解の具体的な条件は明かさないとしている。