はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

インド財務大臣、仮想通貨の全面禁止方針を否定 禁止法案の報道から一夜明け

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

財務大臣、仮想通貨全面禁止を否定

インドで暗号資産(仮想通貨)は禁止されるのか。情報が錯綜するインドの仮想通貨規制問題について、新たな展開があったようだ。

インドのNirmala Sitharaman財務大臣は、現地英語メディア「India Today」の番組に出演し、「政府としては、仮想通貨に関する選択肢全てを遮断するつもりがないことは明確だ」と述べた。この見解は、仮想通貨に関する最高裁の判断、および中央銀行であるインド準備銀行(RBI)が独自の「公式見解」をとる可能性を理解した上でのものだとした。

また、Sitharaman大臣は、人々がブロックチェーンやビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨の「実験」を行うための一定の機会を許可すると明言し、フィンテックの成長は、こうした実験にかかっていると付け加えた。

さらに、同大臣はフィンテックはインドが優位性を持つ重要な分野であるとの認識を示し、政府はフィンテックおよびブロックチェーン分野の活動を奨励する立場をとっていることを強調した。

なお、どのように仮想通貨を制定するかについては、現在準備中で、ほぼ完成間近の内閣法案の内容に含まれ、近日中に内閣に提出される予定だという。

先週、Anurag Thakur特命担当大臣(財務・企業関連)は、仮想通貨を含むイノベーションを公平に評価する必要があると述べており、政府側の姿勢としては、仮想通貨の全面禁止に至る可能性は低いという印象を与えている。

関連:インド政府、仮想通貨を「禁止?規制?」 法案審議控える

情報が交錯する仮想通貨規制法案

一方、現地時間の3月15日、ロイターはインド政府高官の言として、インドにおける仮想通貨の保有や取引を禁止し、発行やマイニングさえも犯罪とする新たな仮想通貨法案が審議されていると報道した。

当該関係者によると、この法案では、仮想通貨の保有者に最大6カ月間の精算期間の猶予を与えるが、その後は罰則を科す事になるとのこと。仮想通貨に対する厳格な規制を敷いている中国でも、仮想通貨の保有自体を罰した事例がなかったため、この法案が可決された場合、世界でも類を見ない厳しい措置となるとみられている。

仮想通貨取引の現状

しかし、ビットコインやイーサリアムに代表される「民間の仮想通貨」禁止法案の審議については、1月末から報道されているのにもかかわらず、インドの仮想通貨市場は活況を呈しているようだ。

インド最大の仮想通貨取引所WazirXの1日あたりの取引量は、執筆時現在、約112億円に上っている。BitbnsのGaurav Dahake CEOは、同取引所のユーザー登録数と資金流入額は1年前の30倍に増加していると述べた。また、インドの老舗取引所Unocoinでは1月から2月にかけて、ユーザー数が2万人の伸びを記録したという。さらに、世界162カ国にサービスを展開するZebPayは2020年3月から本拠地であるインドでサービスを再開したが、2021年2月の1日あたりの取引量は、前年2月1ヶ月分の取引量に匹敵したとのことだ。

インドでは2018年にRBIが同国の全銀行による仮想通貨の取り扱いを禁止したが、2020年3月に、インド最高裁はこの禁止令は違憲であるとの判断を下した。また、2019年には仮想通貨の利用に懲役刑を科す法案が提出されたが、実現には至らなかった。

このような経緯のあるインドで、仮想通貨業界は政府に積極的に働きかけ、仮想通貨を禁止するのではなく、公平な規制の枠組みを制定するように、動いているようだ。

業界全体でツイッターを利用した「#IndiaWantsCrypto」(インドは仮想通貨を望む)キャンペーンを展開した結果、数万人のユーザーが結集し、また「indiawantscrypto.net」サイトからは、1万5,000通のメールを国会議員に送ることになった。このような草の根の努力が功を奏し、政府が業界の声に耳を傾け始めていると、仮想通貨取引アプリ「SuperStox」の創設者は語っている。

仮想通貨情報企業CREBACOのCEO、Sidharth Sogani氏は、これまでの経験から、国会議員へ圧力をかけることが効果的であると学んだと語り、現在は、ブロックチェーン・仮想通貨・デジタル資産企業家協会を結成すべく、活動しているという。

中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)を推進したいRBIの思惑と、政府が進める政策には隔たりがあるようだが、世界で仮想通貨の可能性に注目が集まる現在、インドの発展に何が必要とされているのかを、政策立案者は真剣に検討する時期に来ているのではないだろうか。

 
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/31 水曜日
14:00
ブラックロックの2026年投資展望 AI投資が米株式市場を牽引、ステーブルコインは金融の架け橋に
ブラックロックの2026年投資展望レポートでは、AI関連投資が米国株式市場を牽引し、生産性向上で171兆円の経済効果が見込まれると分析した。また、38兆円規模に成長したステーブルコイン市場について決済システムへの統合が進み、トークン化された金融システムへの第一歩となると見ている。
12:00
2026年末のビットコイン価格はどうなる?有識者7人に予想を聞いた
ビットコイン2026年末価格予想を暗号資産(仮想通貨)業界の著名人7人が回答した。平均は12.3万ドルで約40%の上昇見込み。FRB政策、機関投資家参入、半減期アノマリー崩壊など注目ポイントを分析。強気派と慎重派の見解を比較し、相場の行方を占う。
11:00
仮想通貨TOP20と国内発トークン、25年の騰落率は
ドナルド・トランプ氏の米大統領就任やビットコインの最高値更新があった2025年。本記事では同年の時価総額上位銘柄と国内発プロジェクトのトークンの年間騰落率をまとめている。
10:00
激動の2025年 仮想通貨の時価総額トップ20、過去8年間における順位変動は
2025年はビットコインが12万ドルを突破した。仮想通貨に肯定的な米トランプ政権が始動した1年を終えるにあたり過去8年間において仮想通貨の時価総額の順位がどのように変動してきたかを振り返る。
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧