はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

アルゼンチン中銀、顧客の仮想通貨取引履歴を銀行に要求

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

顧客情報提供を求める

南米アルゼンチンの中央銀行が、国内すべての金融機関に対し、ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)の取引履歴のある顧客情報を提供するよう要請していたことがわかった。

アルゼンチンの中央銀行(年間インフレ率50%)は、銀行に対し、暗号資産を保有、取引、または支払いを行っている顧客を特定するフォームへの記入を求めている。

この中銀の内部メールは、関連銀行へ送られたもので、地元のビットコインコミュニティがリークし明らかになったという。その後、地元メディアInfobaeが、金融当局に事実確認を行い、詳細に報道した。

アルゼンチン中銀が要求しているのは、「仮想通貨を保有する口座を持つ顧客、仮想通貨を利用した支払いの購入・売却・管理などを行っている顧客を特定できる情報」で、具体的には個人の氏名、住所、口座番号、及び国民識別番号だという。

中央銀行の目的

今回の措置は、国内で急成長している仮想通貨市場に、さらなる規制が必要かどうかの判断材料とするためだと当局は主張。そして、アルゼンチン中銀の決定の正当性を裏付けるのは、同行が持つ「決済システムの監督機能」であり、データの要求は「対象となる具体的なルールに関する検討の枠内」だとの認識を示した。

仮想通貨の使用または購入の量などの要素を判断するために、プロセスの一環として銀行に意見を求めた。規制の詳細化を進める前に、関心のある様々な事項について、銀行に情報を求めることは一般的だ。

個人の権利の侵害か

しかし、今回の中央銀行による仮想通貨ユーザーデータ収集は、「憲法で守られている個人のプライバシーや人権を侵害するものである」として、4月5日に集団訴訟が起こされた。

「銀行口座を利用して暗号資産の売買を行うすべての人々」を代表して訴訟を起こしたのは、弁護士のVictor Castillejo氏で、中銀が要求したデータの消去・個人情報が特定できないようにデータの分離を求めている。

Castillejo氏によると、中銀が求めた個人情報の提供にはデータ所有者の同意が必要であり、同行の行為は、個人情報保護法で定められている「同意、目的の原則」に準拠していないと指摘。

また、中銀が具体的な規制を行いたいのであれば、仮想通貨の取引量やユーザー数等のデータで十分であり、個人の身元や取引の目的を特定する情報は必要ではないだろうと同氏は述べている。

さらに、仮想通貨は財産の一部となり得る単なる資産に過ぎず、中央銀行に個人的な取引を監視する権限は与えられていないと強調した。

アルゼンチンの仮想通貨事情

アルゼンチンのインフレは深刻で、2019年のインフレ率は53.8%、20年が36.1%で多少し持ち直したものの、今年は世界で二番目に高い48%に達すると予想されている。アルベルト・フェルナンデス大統領は、3月末、国際通貨基金(IMF)への債務支払が非常に困難であると語った。

法定通貨の価値が下落する中で、一般市民は資産保護のため米ドルや仮想通貨に光を見出そうしているが、政府は資産流出を防ぐため、昨年5月に仮想通貨取引の規制強化を推進、9月には米ドルの購入に35%の税金を貸す決定がなされた。

これを受け、ビットコインをはじめとする仮想通貨、その中でも特にステーブルコインDAIの取引量が急上昇した経緯がある。価格変動を好まないユーザーは、ビットコインよりもDAIを選ぶ傾向にあり、アルゼンチンでは強力なユーザーコミュニティが存在するという。

関連:アルゼンチンで米ドル購入に35%課税 仮想通貨に注目集まる

古参のビットコイン支持者であるFranco Amati氏(前出のツィート発信者)は、今回、中央銀行が銀行に顧客データを要求した目的のひとつは、おそらく地元取引所の銀行口座を探し当てることではないかと推測。Amati氏によると、アルゼンチンでは銀行口座を使ったP2P取引が拡大しており、大手取引所バイナンスなどが市場をリードしているとのことだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/28 金曜日
07:40
ネイバーとアップビット親会社ドゥナム、AIとブロックチェーン融合で1兆円投資へ
ネイバーとアップビット運営のドゥナムが、AIとブロックチェーンを組み合わせた次世代金融インフラ構築に向け、今後5年間で1兆円超を投資する計画を発表した。韓国ウォン連動型ステーブルコイン発行も視野に入れている。
07:10
イーサリアム、ブロックのガスリミットを6000万ユニットに引き上げ
仮想通貨イーサリアムは、ブロックのガスリミットが6000万ユニットに引き上げられた。これにより、フサカアップグレードの前にトランザクション処理能力が向上した。
06:35
アップビットのハッキング後に一部のソラナ系銘柄で大幅なキムチプレミアム発生、Orcaは50%超の価格乖離
韓国のアップビットで27日にハッキングが発生し入出金が停止された後、ソラナ系トークンで大幅な価格乖離が発生した。オルカは国際価格と比較して51%のプレミアムを記録し、Meteoraも40%のプラス乖離を示している。
05:56
ビットワイズがアバランチETF申請を更新、最大70%のステーキング機能導入へ
ビットワイズが米証券取引委員会に提出したアバランチ現物ETFの申請書類を更新した。ティッカーはBAVAに変更され、保有AVAXの最大70%をステーキングできる仕組みを導入する。
05:40
ソラナミームコインBONKの現物ETP、スイス証券取引所に上場
ソラナミームコインBONKがスイスのSIX証券取引所で取引を開始した。ビットコイン・キャピタルが発行するETPにより、投資家は従来の証券口座を通じてBONKへのエクスポージャーを得られるようになった。
11/27 木曜日
17:20
モブキャストHD、ソラナ財団認定バリデータに選定 ステーキング運用規模を拡大
モブキャストHDがSolana財団の公式バリデータプログラムに採択。累計3億円・約1.1万SOLの取得実績が評価され、将来的には50万SOL規模の運用を目指す。
17:00
韓国大手取引所アップビット、約48億円の不正流出 全額を自社資産で補償へ
韓国最大の仮想通貨取引所アップビットがソラナネットワークで約48億円の不正流出を発表。24銘柄が流出も全額補償へ。ホットウォレットから未承認送金、入出金サービスは一時停止中。
15:07
リップル社のステーブルコイン「RLUSD」、アブダビADGMが正式認定
中東での企業利用が加速へ リップル社は27日、同社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」が、アブダビ金融サービス規制庁(FSRA)により「法定通貨参照トークン」として正式…
14:02
Xapo Bank、ビットコイン信用ファンドの提供範囲を拡大
ジブラルタルのXapo Bankがビットコイン建て信用ファンドを全会員に拡大。初期段階で1億ドル調達。2022年の業界崩壊後、厳格なリスク管理で市場回復。長期BTC保有者向けに安定利回りを提供。
14:00
ビットコイン需要の低迷続く 市場は横ばいか=Glassnode分析
Glassnodeが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインの需要低迷を指摘した。新たな資金流入が回復するまで市場は狭いレンジで推移する可能性が高いと分析している。
13:55
タイ当局、サム・アルトマンのワールドコインに120万件の虹彩データ削除を命令
タイ個人情報保護委員会が、生体認証プロジェクトWorldに対し、仮想通貨と引き換えに虹彩スキャンデータを収集した行為が個人情報保護法違反として、120万件のデータ削除と業務停止を命令。世界各国でも同様の規制措置が相次いでいる。
13:35
世界取引所連合が米SECに書簡、仮想通貨企業への免除措置見直しを要請 トークン化株式に懸念
世界取引所連合が米証券取引委員会にトークン化株式を提供する仮想通貨企業への包括的な免除措置の見直しを求める書簡を送付した。ナスダックやCMEグループなどが加盟する同連合は、適切な規制遵守なしに仮想通貨プラットフォームが証券取引所の役割を果たすことへの懸念を表明。
11:10
「BTCが74000ドルまで下落しても転換社債に対する価値は5.9倍」ストラテジー
ストラテジー社は、仮想通貨ビットコインの価格が同社の平均購入価格である74,000ドルまで下落しても、転換社債に対して5.9倍の資産を保有していることになると投稿。債務の安全性を強調した。
10:30
韓国最大級仮想通貨取引所Upbit、ネイバーと合併 約1.5兆円規模の株式交換で傘下に
韓国IT大手ネイバーが仮想通貨取引所Upbit運営のドゥナムを1.5兆円規模で買収。韓国国内シェア7割超のUpbitとネイバーペイを統合し総合デジタル金融エコシステムを構築。2025年6月の合併発効を目指す。
10:15
BTCマイナーのクリーンスパーク決算発表、売上高が過去最高に AIインフラを拡大中
ナスダック上場のビットコインマイナー、クリーンスパークが決算報告。過去最高の売上高を記録した。AIとビットコインの両ワークロード対応の包括的プラットフォームへ進化中だ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧