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欧州委員会がデジタル犯罪の捜査強化を提案 仮想通貨も対象に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル化が進む組織犯罪への対抗戦略

欧州委員会(EC)が14日、組織犯罪と戦うための新しい戦略を発表。犯罪のデジタル化が進む中、対策していく事項の一つとして、暗号資産(仮想通貨)も挙げられている。

戦略報告書は2021年から2025年の時期について方針を立てるものだ。

「私たちの生活がかつてないほどオンライン化している」ことにともなって、犯罪もデジタル化しているとして、報告書は以下のように説明する。

組織的な犯罪は物理的な国境をこえて、オンラインで計画、実行、隠蔽され、違法な物質や製品を販売。そして利益を巧妙な方法で資金洗浄している。

手がかりや証拠が物理的な空間からオンラインに移行することで、データが司法権を超えて移動するスピードの上昇や、暗号化による隠匿など、さまざまな課題が生じる。

また、これまでの「物理的な証拠のために設計された証拠収集手段や措置は、デジタルの世界にはまだ完全に適応していない」ことにも注意を促した。

仮想通貨も捜査強化の対象

こうした中で「組織犯罪を検出して起訴するため」、捜査官には疑わしいオンラインアクティビティを検出し、データを分析して電子的な証拠として使用する能力、また「仮想通貨の犯罪取引を追跡」する能力が求められるという。

報告書によると、現在マネロン活動のごく一部しか検出できておらず、犯罪に関わるものとして没収されるべき資産の内、実際に差押えられているのはわずか1%に留まっている。

さらにこの現象は「仮想通貨など、銀行セクターと比較して監視が行き届いていない金融手段の増加により悪化している」ところだと指摘。対策の一環として次のように提案した。

デジタル上の証拠分析、オープンソースインテリジェンス(公開情報をソースとする捜査活動)、仮想通貨、ダークウェブ調査について、加盟国間でセクターを横断したツールやトレーニングの推進が必要だ。

捜査ツールの開発や職員のトレーニングを協力して行っていくことを推奨する格好だ。例えば、違法な商品やサービスを販売するウェブフォーラムにアクセスして記録を削除できるような技術開発を挙げている。

その他の犯罪抑止策

この他にも、以下のようなことが提案された。まず、電子的な証拠を国際的に収集可能にするルールを確立するため、多国間または二国間の国際交渉を早急に進めること。データが隠匿される前にできるだけ早く証拠を収集することが、捜査を成功させ、犯罪を抑止するために不可欠としている。

さらに、ドメインネームシステム(DNS)やインターネットプロトコルをサイバー攻撃や詐欺などの犯罪に常用している犯罪グループを特定するために、ウェブサイトなどを運営する者の身元確認情報に確実にアクセスすることの必要性も指摘する。

また、5G(第5世代移動通信システム)以降の文脈で、合法的な傍受能力を維持するために、標準化の取り組みを強化。2022年には犯罪捜査などに関連して暗号化された情報へ合法的にアクセスするための方策を提案したいという。

今回の報告書は特別に仮想通貨に焦点を当てたものではないが、デジタル化する社会の中で犯罪を抑止していくことの一環として、仮想通貨に対する捜査能力も強化していく方針が窺える。

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