はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「NFTは日本の文化コンテンツを世界に売る武器になる」 財政金融委員会で音喜多議員が質疑

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NFTやFATFに言及

18日に開催された財政金融委員会にて、日本維新の会の音喜多議員がNFT(非代替性トークン)やFATF(金融活動作業部会)のガイダンス内容などについて質疑を行った。

NFTの推進を訴える

音喜多議員はまず、ブロックチェーン技術を活用したNFTがデジタルアートの世界で注目を集めていることに言及。こうしたブロックチェーン技術の活用は文化芸術振興の観点からも重要であり後押ししていくべきと考えるとし、文化庁に見解を問うた。

これに対し、文化庁出倉審議官は次のように答弁した。

文化庁では、2月より文化審議会文化政策部会アート市場活性化ワーキンググループで、アート市場活性化に関する議論を進めてきた。

ブロックチェーン技術など最新技術の活用に関しては、アート作品の来歴管理などに活用することにより、作品の真贋の見極めや収益のアーティストへの還元などが可能となることから、アート市場の活性化に有用であると考える。文化庁としては、文化と経済の好循環を通じた文化芸術立国の実現に向けて、アート市場の活性化の取り組みを引き続き進めていきたいと考えている。

続いて音喜多氏は、NFTは日本の文化コンテンツを世界に売る武器にもなり、社会的にも今後有用に活用され得ると主張。NFTを政府としてどのように評価しているか、麻生大臣に見解を求めた。

麻生大臣は次のように答弁した。

NFTは、コンテンツの管理や取引に有用なものであるため、NFTやブロックチェーンといったものに関して、技術の話がよくとりあげられるが、安全性の確保や利用者保護を充分に考えないと、だまされる人もいる。

新たな技術をもってしてイノベーションに挑戦することは、望ましいと考えているが、NFTのコンテンツが極めて高額で取引されている例を見ると「投機マネー」ということになるので、そういったことも考えていかなければならないという声もある。

麻生大臣の回答を受け、音喜多氏は「NFTは日本社会にとって有益になる可能性が非常に高く、イノベーションを是非促進して取り組んでいただきたい」とした。

関連:非代替性トークンNFTとは|主な特徴と将来性を解説

FATFのガイダンス内容に言及

音喜多氏は、FATFが3月、マネロン対策の一環としてNFTなど革新的な分野についても監視対象となる可能性がある暗号資産関連ガイダンスの修正を行ったことに言及。FATFのVASPの定義が曖昧であるという声もあるとし、事業開発者は仮想通貨のサービスプロバイダー(VASP)に該当すると考えるか質問した。

これに対し、金融庁白川統括審議官が答えている。

FATFにおいては、暗号資産サービスプロバイダーは、顧客のため、またはその代理として暗号資産の交換・移転などを業務として行うものと定義されている。

FATFの考え方では、このNFTの事業開発者が暗号資産サービスプロバイダーに当たるかどうかについては、マネーロンダリングやテロ資金供与対策の観点から、支払いなどに用いられるかというNFTの性質やNFTの移転・交換などを行うかという当該事業者の行為に従い、個別具体的に判断するものと認識している。

定義の曖昧さについては、FATFにおいて暗号資産に関するガイダンスの改定の中で定義の明確化に向けて作業を進めているものの、依然として不明確であるという意見が寄せられていることは承知している。金融庁としてはガイダンスの最終化が適切に行われるよう、FATFでの議論に貢献していきたいと考えている。

この答弁内容を受けた音喜多氏は、曖昧なFATFの定義の是正を促し、今後有望な技術的革新・産業を育てる観点からも、金融庁として主体的にFATFに働きかけ、適切なルールを制定する必要があると意見し、麻生大臣に見解を求めた。

これに麻生大臣が答弁している。

バーチャルアセットのサービスプロバイダーというものに関して定義を明確にしないとあたらしく出てきた技術に対して定義を定めることができなくなってしまう。

我々としてはマネロン対策・テロ資金共用対策も進めながらイノベーションを推進していくようFATFに対して働きかけ続けている。

FATFが発表した仮想通貨ガイダンスの更新案には各方面から批判の声が上がっている。

3月、ガイダンスの最新更新案には、これまでの世界的なコンセンサスを覆す問題点が多く含まれると、米ワシントンDCに拠点を置く仮想通貨業界団体、コインセンター(Coin Center)が警鐘を鳴らした。コインセンターのPeter Van Valkenburgh研究部長は、この修正案にはプライバシーとイノベーションの観点から問題があると主張している。

一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は4月、FATFの新ガイダンスの内容に関して寄せられた関係者の意見を取りまとめ、FATFに提出。意見書提出の背景について「FATFが公表した改訂ガイダンスでは、暗号資産というイノベーションが期待される分野について、暗号資産やサービスプロバイダーの定義の拡大解釈等を提案しています。これにより、暗号資産関連ビジネスや技術開発に対する過剰な規制に繋がることが懸念されています」と説明。

意見書の中では、FATFの規制基準について暗に批判する内容も盛り込まれていた。

関連:日本暗号資産ビジネス協会、仮想通貨の新ガイダンスに対する意見書をFATFに提出

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧