仮想通貨規制の取り組み
米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は26日、暗号資産(仮想通貨)規制の取り組みに言及した。
以前から重要視している投資家保護について、レンディングやDeFi(分散型金融)のプラットフォームの利用はレベルが高いと指摘。SECは現在、こういったプラットフォームのユーザーを保護するための対策にも取り組んでいると述べている。
今月に入り、ゲンスラー委員長が仮想通貨に言及する場面が増えてきた。価格変動の大きさや詐欺などを背景に、投資家保護の重要性を繰り返し強調。先週も投資家保護の観点から、仮想通貨を含む様々な新興技術における犯罪等の問題に対して、法的措置をとる考えを示している。
関連:価格操作等へ対応か 米SEC委員長、金融市場の投資家保護を強調
ゲンスラー委員長は今回、26日開催の議会の公聴会に参加。それに先立って供述書も公開している。公聴会では幅広い話題について語る中で、議員からの仮想通貨規制に関する質問にも回答した。
こちらも以前から主張しているが、ゲンスラー委員長は今回も米議会と連携して規制を整備していきたい意向を示している。「トレードが行われている場所で投資家を保護するために、議会と連携できないか考えている」と語った。
仮想通貨規制の難しさについては、現在何千種類という仮想通貨がある中で、SECが現在まで75の銘柄にしか取り締まりを実行できていないとの説明からも窺える。ゲンスラー委員長は、現在の規制の問題点について、以下のようなコメントも行なった。
ここ最近、仮想通貨の1日の取引量は1,300億ドル(約14兆円)から3,300億ドル(約36兆円)とされている。
しかし、この数字は監査もされていないし、規制当局に報告もされていない。また、未承認の取引所でも取引が行われている。
ゲンスラー委員長は仮想通貨取引について、今よりも予算やリソースを費やしながら、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックと同等の投資家保護対策を実行したいと語った。