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IBM、自社保有のブロックチェーン・コードをオープンソース化

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ライセンス保有していたコードを一般に提供

テクノロジー大手IBMは、ブロックチェーン「Hyperledger Fabric」の利便性を高めるため、自社の保有する多くのブロックチェーン・コードをオープンソース化すると発表した。また、Hyperledger Fabricのユーザーをサポートする有償サービスも提供開始する。

人気の高いエンタープライズ向けブロックチェーン「Hyperledger Fabric」は、多くの企業に採用される、許可型(参加に管理者の許可が必要)チェーンで、JavaやGoなど汎用プログラミング言語によってスマートコントラクトを記述可能。医療データの安全な管理・共有システムの構築や、食料品をトラッキングしてトレーサビリティを向上するシステムなど様々な分野で応用されている。

関連:もっとも利用される企業向けブロックチェーンフレームワークHyperledger Fabricとは?

「Hyperledger Fabric」は、Linux Foundationが提供するオープンソース・プロジェクトであるが、IBMは初期段階から開発に携わってきた。

IBMは今回、ビジネス向けのブロックチェーン・ソリューションの開発と採用を容易にするコードを提供。これには、様々なプラットフォームを「Hyperledger Fabric」のネットワークと簡単に統合できるコンソールの基礎となるコードも含まれており、プラットフォームの使いやすさが向上するという。

コードはこれまでIBMがライセンスを保有していたが、オープンソースで使えるようにした形だ。また、「Hyperledger Fabric」上でのトークン交換を可能にする「Fabric Token SDK」や、分散型台帳の相互運用性を支援するコードも提供する。

また、コードのオープンソース化と同時に「Hyperledger Fabric」を使う企業にユーザーサポートの有償サービスも開始。これには、24時間体制のカスタマー・サポートや、コードのセキュリティースキャンなどが含まれている。ITインフラの市場「Red Hat Marketplace」を通じて、今年秋から利用可能になる見込みだ。

採用事例に基づいたブロックチェーン事業を

今回の動きの背景について、IBMの人工知能・ブロックチェーン分野の責任者Kareem Yusuf氏は「Hyperledger Fabricを強化して、皆がイノベーションを起こせるような活気あるプラットフォームを確立するため」だと説明した。

Yusuf氏によると、ブロックチェーンの中核技術やIBMのブロックチェーンプラットフォームそれ自体には収益性があまりないため、オープンソース化することは合理的だという。Yusuf氏はブロックチェーンメディアLedger Insightsに対して次のようにコメント。

ブロックチェーン・プラットフォームとは、ある目的(採用事例)を達成するための手段だ。より活気があって広く採用されているプラットフォームがあった方が、エンドユーザーの実際の採用事例に基づいた収益を獲得しやすいと考えている。

こうした方向性で、具体的な事業分野として、Yusuf氏は以下の3つを挙げた。

  • 顧客の具体的なユースケースを実現するためのコンサルティング
  • 他のソリューションと統合する製品
  • エンタープライズグレードのカスタマーサポート

Yusuf氏は、例えばトレーサビリティや炭素排出量計算など、具体的な採用事例から逆算して、プラットフォームに必要な機能を見極めることができると説明。「私たちは(ブロックチェーンの)大規模導入の段階に入ったと思う。よって、採用事例を明確にしなければいけない」と述べた。

ブロックチェーン事業の撤退は改めて否定

今年2月にIBMがブロックチェーン事業を縮小しているとの報道がなされた際に、同社はこれを否定している。Yusuf氏もこの件に言及し「私たちはブロックチェーンから手を引いたわけではなく、それをどうやって生産的に活用するかに焦点を当てていく」とした。今後は、ブロックチェーン技術の具体的な採用事例の支援に軸足を置いていく姿勢のようだ。

関連:IBM広報責任者、ブロックチェーン事業の縮小を否定=報道

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