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元FRB理事:連邦準備制度理事会はデジタル通貨の発行を検討すべき

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

元理事によるFRBによるデジタル通貨の発行に関する言及
日本で言うところの中央銀行にあたる米国FRB(連邦準備制度理事会,Fedと略される事もある)の元理事であるケビン・ウォーシュ氏はFRBが主体となってデジタル通貨を発行する事を検討すべきだと発言。次にリーマンショックのような経済危機が起こった際に、金融政策の手段になり得る可能性があるとしました。

元FRB理事がFRBによるデジタル通貨の発行を検討すべきと発言

日本で言うところの中央銀行にあたる米国FRB(連邦準備制度理事会,Fedと略される事もある)の元理事であるケビン・ウォーシュ氏(以下、ウォーシュ氏)がニューヨーク・タイムズ誌の取材に対し、Fed CoinのようなFRBが主体となってデジタル通貨を発行する事を検討すべきだとの旨を述べた事が話題となっております。

ウォーシュ氏は2006年から2011年まで約5年間FRBの理事を務め、現在はスタンフォード大学の客員教授を務めている他、直近FRB議長の任期が切れる際にFRBの議長候補として名前が挙がった人物でもあります。

ウォーシュ氏は同誌に対し、「もし前回の議長を決める際に私が選ばれていたとしたら、デジタル通貨の調査を命じていたでしょう。Fed Coinなるものが作られたと仮定して、そのようなコインが現金に取って代わるような事はないとしても、次にリーマンショックのような経済危機が起こった際に、金融政策の手段になり得る可能性があります。」との旨を述べました。

またウォーシュ氏はイングランド銀行やシンガポール金融管理局の取り組みや、パウエルFRB新議長が公聴会で「ブロックチェーンの大口資金決済の分野に関する可能性」について言及した事も引用しつつ、ブロックチェーン技術により、数兆ドルの規模を誇る銀行間の資金決済に関しての可能性も述べました。

そして、「将来的に仮想通貨がただの投機的な対象としてではなく信頼できる価値の尺度となり、金のような価値保全の資産ではなく、より通貨に近い存在となる可能性がある以上、一つの手段として残しておくべきです。仮想通貨支持者たちが語るように、現在の取引システム、決済システムよりも効率的な手段を構築したとしたら、誰が一番損をするか。それは中央銀行なのです。」との旨も語りました。

ケビン・ウォーシュ氏の発言から見えてくるもの

リーマンショック時にFRB理事を務めたウォーシュ氏。100年に一度とも言われる危機を乗り越える為の金融政策を担う一人であった彼が、デジタル通貨に金融政策の手段としての可能性見出しているという事は非常に興味深いです。

デジタル通貨に対して当局関係者から様々な発言がされており、日本国内でも日銀出身、麗澤大学教授である中島真志氏は著書『アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者』(2017年,新潮社)の中で、デジタル通貨にマイナス金利を適用するような金融政策のあり方に関する議論があった他、同じく日銀出身であり早稲田大学大学院教授の岩村充氏の著書『中央銀行が終わる日 ビットコインと通貨の未来』(2016年,新潮選書)でもデジタル通貨の発行によって貨幣利子率を作り出す事の可能性について触れられています。

一方で先月、18年4月には日銀の雨宮副総裁が現状の民間銀行が仲介する金融システムを大きく乱すデメリットをあげつつ、「日銀がデジタル通貨を発行する計画は現段階では無い」と述べた他、2月には当時日本銀行決済機構局審議役FinTechセンター長であった河合祐子氏が「デジタル通貨のセキュリティ確保の為に莫大なコストが必要になるかもしれない。そこまでして日銀発行のデジタル通貨は必要なのか」とのデジタル通貨に対して否定的な発言もあります。

ただ、仮想通貨の登場が各国中央銀行で議論を呼んでいる事は間違いなさそうです。今後、各国の中央銀行で「デジタル通貨の発行」の可能性が議論される事が考えられ、そのような試みを行う中央銀行が出てくる事はそう遠くないと見る専門家もいるようです。

今後の中央銀行の議論に目が離せません。

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