米高官、IMFに理解求める
9月よりビットコイン(BTC)を法定通貨と採用するエルサルバドルを訪問中の米Victoria Nuland政治担当国務次官は30日、IMF(国際通貨基金)が同国への経済支援を継続すべきとの考えを示した。ロイターが報じた。
Nuland政治担当国務次官は、今週エルサルバドルを訪問しており、ブケレ大統領とも直接面会している。
IMFのGerry Rice氏は6月中旬、エルサルバドルでのビットコイン法(Ley Bitcoin)可決後に、マクロ経済、金融、法的など複数の側面から問題を引き起こす可能性があると発言していた。
複数の金融機関もエルサルバドルの法改正に懸念を示しており、JPモルガンやCitiグループは分析レポートを公開している。
JPモルガンの投資家向けレポートでは、法定通貨法案の可決により、「IMFとの経済支援に係る交渉に支障をきたす可能性がある」とコメント。エルサルバドルは、2001年より米ドルを法定通貨採用してきたことから、米国との関係複雑化を予測した。
さらに、経済包摂や雇用創出、事業の誘致など、経済的な要因で採用された側面が強いとしつつ、ビットコイン法は「強引な結論」と評している。
Citi社新興市場戦略部門のDonato Guarino氏もエルサルバドルのビットコイン法に関する懸念は「IMFとの議論を複雑化する」と指摘。
エルサルバドル内におけるビットコイン法の施行は9月7日に予定されている。
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日本政府の対応
一方、日本政府は25日、古賀参議院議員の資金決済法における、エルサルバドルのビットコインが外国通貨に認められるかという質問に回答。
ビットコイン法(Ley Bitcoin)において「その支払を受け入れる義務が免除される場合が規定されている」点を受け、日本政府は外国通貨ではなく暗号資産に該当するとの見解を示した。
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