加投資大手IBC Group、中国から仮想通貨マイニング完全撤退へ

中国から採掘事業撤退続く

カナダに拠点をおき、中国でもビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)マイニングを手がける暗号資産(仮想通貨)投資企業IBC Group社は5日、中国からの完全撤退を発表。カナダ・アメリカ(北米地域)や南米など、世界中に採掘拠点を移動する方針を明らかにした。

IBC Groupとは

IBCは2014年、アラブ首長国連邦(UAE)で設立された大手投資会社。現在はカナダのトロントに拠点を移動しており、4,000以上のブロックチェーン企業に出資する。

マイニングなどの仮想通貨事業も手がけており、ビットコインとイーサリアムのマイニング事業は世界40以上の都市に展開。イーサリアム2.0では10万ETHをステーキングしている。

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IBCグループのKhurram Shroff会長は中国当局の規制強化体制を受け、中国国内のビットコインおよびイーサリアムのマイニング拠点を全て閉鎖する方針を表明。採掘事業のスタッフをアラブ首長国連邦(UAE)やカナダ、アメリカ、カザフスタン、アイスランド、そしてその他の南米国家に移動すると述べた。

IBC社は一部の予想では、中国国内における90%以上のビットコインマイニングが停止していると説明しつつ、Shroff氏は「マイニングの分散化は世界にとっては朗報だ」とコメント。「一時的には不都合」と称しつつ、仮想通貨マイニングの中国撤退はカナダにとっては仮想通貨の主流化に向けた好機であると見解を示した。

カナダでは今年2月、北米では初となるビットコインETFを承認したほか、4月にはイーサリアムETFを承認するなど仮想通貨の導入が進んでいる。また、気候の低さで知られるケベック州では水力発電を利用して、仮想通貨採掘を行う企業も存在する。

Shroff氏はトロント証券取引所がすでにビットコインETFを上場させていることから、仮想通貨の導入においては各国より抜きん出ていると語った。

中国の仮想通貨規制については米マイクロストラテジー社のMichael Saylor CEOも先月26日、以下のようにブルームバーグに対して述べていた。

中国はビットコインのマーケットシェアの50%を持っていて、年間100億ドルを生み出し、毎年100%成長していた。

しかし政府が取り締まりを強化し、業界全体を中国から追い出している。ビットコインの成長率を基にすれば、これは中国にとっては数兆ドル(数百兆円)規模の失敗になるだろう。

マイナーの移転先

IBC社の移転先は中国のマイニング業者の人気な移転先だと言える。カナダやアメリカにはこれまでも多くのマイニング業者が移動していることが確認されている。

テキサス州やネブラスカ州、コロラド州など、アメリカでは複数の州政府でマイニング事業を誘致する政策が可決されている。特に、米国の州では最も人口の少ないワイオミング州のCynthia Lummis上院議員は仮想通貨マイニング企業に対して「ワイオミングにきて」と積極的に呼びかけている。

また、中央アジアのカザフスタンも安価な電力代がマイニング事業を誘致している。同国では、2022年1月より採掘業者の使用電力に対して追加の課税が導入する法案が6月に可決した。

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さらに具体名は明かされなかったものの、南米諸国も安価な電力代を誇る拠点は多い。6月にビットコイン法を可決した中米エルサルバドルでは、豊富な活火山の地熱を利用したボルケーノ・マイニング拠点設立が検討されているほか、南米アルゼンチンにも白羽の矢が立っている。

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著者:Noah Sakamaki
参考:IBC Group

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