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韓国大手銀行、仮想通貨の保管・管理事業参入相次ぐ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ウリィ銀行が仮想通貨カストディに参入

韓国のWoori Bank(ウリィ銀行)が、フィンテック企業Coinplugと協力して暗号資産(仮想通貨)カストディを設立する計画であることが分かった。THE KOREA ECONOMIC DAILYが報道した。

Coinplugがこの「D-Custody」という新会社の筆頭株主となり、ウリィ銀行はそれに続く株主となる。関係者によると、この企業は来週までに法人化されるという。

カストディ

投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。

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THE KOREA ECONOMIC DAILYによると、韓国の国内法人は、仮想通貨取引所が提供するサービスを利用することができない。そのため、企業は、仮想通貨をUSBなどの記憶媒体に保管しなければならず、盗難や紛失のリスクが高くなっている状況だ。

このため仮想通貨カストディサービスへの需要は高まっている。しかし、韓国の法律では、銀行が仮想通貨カストディ市場に直接参入することは禁じられており、銀行は、他の企業と共同で出資する合弁会社(ジョイントベンチャー)という形で、カストディを立ち上げることが多い。

KB国民銀行、新韓銀行に続く

韓国の銀行がカストディ立ち上げに参入するのは、今回で3行目となる。

KB国民銀行は、ブロックチェーン企業Haechi LabsとベンチャーファンドHashedと共同で、2020年11月に韓国デジタルアセット(KODA)を設立。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、韓国の大手SNS「カカオ」の独自トークンをサポートしている。

また新韓銀行も、仮想通貨取引所Korbitが設立した韓国デジタルアセットカストディ(KDAC)に投資を行うことで、今年カストディ市場に参加している。

KODAのCho Jin-seok最高執行責任者(COO)は次のように説明した。

デジタル資産のカストディは、現在銀行が実施しているのと同じ顧客身元確認システムと、反マネーロンダリング規則を遵守する必要がある。

不確実性の高い仮想通貨取引事業とは異なり、カストディ事業はコントロールできる部分が大きく、また銀行の専門分野にもあてはまる。

世界的にも参入が増加

国際的にみて、銀行の仮想通貨カストディ事業への参入は増えている。世界最大手の信託銀行バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY Mellon)は、2021年後半にカストディサービスの立ち上げを計画。

オランダの銀行INGは、ステートストリート、シティバンク、BNPパリバ証券サービスなどと提携して、機関グレードの仮想通貨カストディなどを提供する「Pyctor」を設立している。

また英スタンダードチャータード銀行も「Zodia」という名称の機関投資家向けカストディ事業を開始する予定だ。

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