BNYメロンの最新動向
世界最大手の信託銀行であるバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY Mellon)はアイルランドで暗号資産(仮想通貨)カストディサービスを計画しているようだ。
アイルランドのビジネスメディアBusiness Postによると、BNYメロンは同国に置かれる支社で『Digital Innovation Hub』を設立し、機関投資家によるビットコインなどの仮想通貨やNFTといったデジタルアセットの保管および送受信を可能にするサービスを計画している。
現時点では、サービスの開始時期等、詳細は公開されていない。
BNYメロンは世界最大手の信託銀行で、運用資産総額が約4,200兆円に及ぶ金融機関。今年の2月に、米国で仮想通貨のカストディサービスを年内に開始する計画が報じられ、伝統金融大手の参入として大きな注目を集めた。
4月には大手ヘッジファンドSkyBridge Capitalが現在申請しているビットコインETF(上場投資信託)のサービスプロバイダーになる予定であることが申請書類に掲載されており、同ETFがSECに承認されれば、BNYメロンはファンドアカウンティングやトランスファーエージェントなどの関連サービスを提供を担当することになる可能性も浮上し、世界的な信託銀行のサポートで米国におけるETF実現までの大きく前進したとする見方も強まっている。
アイルランド中央銀行の懸念
一方、BNYメロンのアイルランドでの新事業が報じられた同日、アイルランド中央銀行のDerville Rowland総裁はブルームバーグの取材にて、仮想通貨市場に対する懸念を明かしている。
Rowland総裁は人気が急上昇する仮想通貨市場に対して、「規制されていない、投機性の高い市場だ」と指摘し、投資家が大損するリスクについて注意喚起を促した。
アイルランド政府はブロックチェーンなどの最先端技術の育成をサポートする一方、仮想通貨に関する具体的なガイドラインは発行していない。中央銀行はこれまで仮想通貨やICOなどへの投資で投資家に注意喚起をしてきたが、仮想通貨の投資に関する具体的な方針は示しておらず、同国内での禁止や制限等の方針は出されていない。