CoinShares週間レポート
英暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesは12日、デジタルアセット関連の金融商品に関する週間レポート(28号)を公開。
投資商品全般では400万ドルの資金流出を記録したほか、取引量は2020年10月以来の低水準となるなど、投資家動向は沈着した。
レポートは7月5日から9日の取引状況を分析。ビットコイン(BTC)関連の投資商品は約700万ドル(7.7億円)の資金流出を記録した。
一方、イーサリアム関連の投資商品は微弱ながら80万ドル(8,800万円)の資金流入を記録。カルダノ(ADA)が60万ドル(6,600万円)、バイナンスコイン(BNB)関連の投資商品が40万ドル(4,400万円)と続いた。
分散化傾向強まる
前週にかけて流入が85%以上減少していた、複数銘柄を含むマルチアセット系の投資商品は120万ドル(1.3億円)の流入を記録。CoinSharesのJames Butterfill投資ストラテジストは投資家の分散化傾向が強まっていると分析した。
この動向は年初来の資金流入傾向からも伺える。
2021年の資金流入は銘柄別での全体の資産運用残高(AUM)の比率は以下の通り。ビットコインやイーサリアムなど単体銘柄の投資商品より、マルチアセット系が人気を高めているとButterfill氏は解説する。
- マルチアセット:16.5%
- ビットコイン:15.6%
- イーサリアム:9.9%
なお、対象となる投資商品全体の資産運用残高(AUM)における比率ではビットコインが68.4%でトップ。イーサリアム関連の投資商品が24.6%、マルチアセット系が 5.6%と続いた。
地域別の動向
また、Butterfill氏は地域毎におけるビットコインへのセンチメントが変化していると指摘した。米国やカナダなど北米系の投資企業のビットコイン関連の投資商品は資金流入が続く中、欧州系の企業は継続した資金流出(outflow)を記録していると述べた。
前週に続き、カナダでビットコインETFを提供するPurpose社が週間では最も多い1,310万ドルの流入を記録した。
前週の週刊レポートまとめはこちら:2ヶ月ぶりに仮想通貨投資商品全般で資金流入