メルコインに参画
フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリ傘下の『メルコイン』は5日、ブロックチェーン分析技術の開発企業Bassetの全株式を取得し、同社がメルカリグループに参画することになったと発表。
メルコインは、メルカリが4月に設立した、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うことを目的とした子会社だ。
参画理由
Bassetのメルカリグループへの参画について、プレスリリースで以下のように説明した。
暗号資産やブロックチェーンの技術は、分散台帳技術の活用等により、その高い透明性と信頼性から、金融システムを始めとして、さまざまな分野への活用が期待されています。一方で、2021年7月にEU(欧州連合)が匿名での暗号資産ウォレットの利用を禁止する意向を示すなど、暗号資産を用いた疑わしい取引やマネーロンダリング等での利用に関するさまざまな懸念が示されています。
メルコインで今後行う、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発とBassetのブロックチェーン分析技術を用いたリスク管理とコンプライアンスの推進を融合することで、より安心安全な暗号資産・ブロックチェーンに関するサービスを実現できると考え、両社で協議の結果、Bassetがメルカリグループに参画することとなりました。
メルコインは、仮想通貨・ブロックチェーン関連サービスの企画・開発を行うメルカリグループの新事業。仮想通貨取引所の運営も視野に入れており、金融庁へ暗号資産交換業者の新規登録申請を予定している。
7月には一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)に入会するなど、22年のサービス開始に向けて急ピッチで体制を整えている。
今後予定する仮想通貨関連サービスでは、メルカリの売上金をビットコイン(BTC)で受取ることができる機能の提供や、「メルペイ」での与信、仮想通貨・資産運用の機能を一つのウォレットで提供するなどの事業計画がある。
また、NFT領域にも注力する方針を明かしており、NFTマーケットプレイスの開発・ローンチも示唆している。
取引所を含めた仮想通貨・ブロックチェーン関連サービスはまだ開発段階であるが、ローンチ前にブロックチェーン関連企業を買収し、「より安心安全な暗号資産・ブロックチェーンに関するサービス」の実現に向け、リスク管理とコンプライアンスを強化する狙いがあるとみられる。
Bassetとは
Bassetは、「Visualizing On-chain Insights」をミッションに、仮想通貨を始めとするブロックチェーンの分析技術を開発し、金融事業者を中心とした様々な業界におけるコンプライアンスを推進する企業。
FinTechサービスの台頭により、金融犯罪が高度化していることを背景に、4月にビットコイン(BTC)の情報を検索する取引分析ツール「Basset Explorer」の提供を開始。仮想通貨を取り扱う金融機関の資金の移動をリアルタイムで監視し、危険な取引の兆候を自動検出することできるようにしたという。