米空軍がブロックチェーン活用を模索
ブロックチェーン技術を開発するConstellation Networkは26日、米国空軍のデータ管理におけるブロックチェーン技術活用に向けた取り組みの開始を発表した。
同社のブロックチェーン技術を利用したデータ管理のソリューションを開発、軍が扱う機密性の高い情報の管理におけるセキュリティの向上などが期待されている。
Constellationは、2019年にSBIR制度によってアメリカ空軍と契約を行っており、26日に契約が次の段階となるフェーズ2に移行することが発表された。SBIRは米国で研究開発を行う中小企業を対象とした支援制度だ。
Constellationによると契約の目標は、ソフトウェア企業のKinnami Sofftwareと提携し、米軍の輸送(兵站)システムにおける、民間企業とのミッションデータのやり取り等を担うソリューションを開発することにある。
そのほか、Constellationの開発するブロックチェーンプロトコル(DAGをベースとした分散型台帳技術)、Hypergraph Transfer Protocol (HGTP)が利用されるとしている。
DAGとは
有向非巡回グラフ(DAG)は暗号資産において、ブロックチェーン技術に代わって取引を記録する技術として研究開発が行われている。性能面でブロックチェーンに優る点があるとされ、IOTAなどのプロジェクトが知られている。
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また、Constellation Networkにアクセスするためには、ネットワークのネイティブ暗号資産(仮想通貨)であるDAGが利用される。フェーズ2への移行によってConstellationは、USTRANSCOM(アメリカ輸送軍)や航空機動軍団(AMC)ほか複数の組織と協力関係を結んだことも明らかにした。
アメリカ輸送軍は米国の陸・海・空軍の輸送(兵站)関係を一手に引き受ける組織で、その活動範囲は地球上の国家の8割に及ぶ。また、航空機動軍団はアメリカ空軍で輸送任務等を行う部隊となっている。
Constellationの共同創設者、Benjamin Diggles氏は次のように語った。
低速でコストのかかるネットワークによってブロックチェーンの普及は停滞していた。この契約は、グローバル規模のデジタル基盤における、データ保護目的でのブロックチェーンの活用について、さらに大規模かつ重要性を持つユースケースへの扉を開くだろう。