米スクエアがOINに参加
米決済アプリ大手スクエア(Square)は14日、ソフトウェアの相互オープンソース化を促進する組織「Open Invention Network(OIN)」に加入したことを発表。
Bloombergの報道によると、スクエアは「特許訴訟から暗号資産(仮想通貨)業界を守り、その成長を促進する」ことが目的だと説明している。
OINは、IBM、ソニーなどの企業が2005年に設立したクロスライセンス・プラットフォームで、会員は他の会員が保有する特許技術を利用することができる。グーグルはじめ多くの大手企業が出資しており、登録すると1,000件以上の知的財産にアクセスすることが可能だ。
クロスライセンスとは、複数の企業が、知的財産権の行使を互いに許諾すること。スクエアは、OINのメンバーになることで、自社の特許を提供し、他のメンバーの特許技術を、使用料無料で利用可能となる。特許リスクを軽減しながら、オープンソースのプラットフォームやアプリケーションを展開していける格好だ。
OINは特にLinux関連の特許に力を入れている。OINのKeith Bergelt CEOは、次のように述べた。
私達は金融サービスの民主化を目指しており、スクエアがLinuxのコア技術とそれに隣接するオープンソース技術の特許権を乱用しないことを約束してくれて嬉しく思う。
「クリプトオープン特許アライアンス」も設立
スクエアの仮想通貨部門は「クリプトオープン特許アライアンス:Crypto Open Patent Alliance(COPA)」という特許を共有する組織も設立している。COPAは、仮想通貨セクターのイノベーションを促進するため、関連企業による特許をオープンソースとすることを提唱する。
スクエアの顧問で、COPAのジェネラルマネージャーであるMax Sills氏は、こうした動きについて、仮想通貨業界を特許権を乱用した訴訟から守るものだと説明した。Sills氏は次のように指摘する。
仮想通貨取引所、ウォレット、送信メカニズムなどで、非常に高速でオープンな研究が多く行われているが、特許を取得しているのは、通常、コア技術を提供している人たちではないという現状がある。
例えば、公に開示されているホワイトペーパーやGitHubのソースコードで発表された発明をコピーして、それを土台として特許申請を行う者がいるという。仮想通貨マイニング関連の特許を取得した団体が、それを理由として多くのマイニング事業者を脅していた事例もあったとして、Sills氏は以下のように述べた。
これまでに実際に訴訟の脅しがあったことは非常に少ないが、その一つ一つが開発者コミュニティに大きな影響を与えた。今後も多くの訴訟が発生することが予想される。
こうした状況でソフトウェアや仮想通貨技術については、特許をオープンソースにすることが、イノベーションを促進するとSills氏は主張している。
ホワイトペーパーとは
仮想通貨を発行する際、どのような目的・技術であるかを解説した「事業計画書」のこと。仮想通貨の企画や構想、技術的な内容などが書かれた公開文書で、プロジェクト等を知ってもらうための、いわばアピール文書や説明書のことである。ホワイトペーパーを読むことによって、その仮想通貨がどのような通貨なのかを知ることができ、投資判断の資料とすることができる。
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