イーサリアム上で高額なガス代を支払い
暗号資産(仮想通貨)取引所Bitfinexは、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンにおけるトランザクションで、およそ2,300万ドル(約25億円)相当の手数料(ガス代)を支払ったことが分かった。
イーサリアムブロックチェーンのデータを提供する「Etherscan」によると、Bitfinexは、ステーブルコイン「USDT」10万枚(1,100万円相当)を1つのウォレットを経由して、分散型取引所(DEX)「DeversiFi」のアドレスに送金。その際、手数料としておよそ7,676ETH(25.3億円相当)を支払っている。当初DeversiFiは、原因は調査中などと説明していたが、その後に手数料の多くが返金されたことを報告した。
The blockchain is immutable.
— DeversiFi 🥷 (@deversifi) September 27, 2021
But the revolution we are part of is defined by our values as humans.⁰⁰
Thank you to the miner of block 13307440 who we can confirm is returning 7626 ETH that were incorrectly paid today as a tx fee.
A post mortem will follow tomorrow. https://t.co/FqkEZ9DK8P
8月にイーサリアムのブロックチェーンでは、大型アップグレード「ロンドン」を実施。その際、改善提案「EIP-1559」が導入されており、ガス代のシステムが変更された。EIP-1559は、基本手数料を導入し、手数料を予測しやすくすることなどを目的としている。
今回のBitfinexの送金は、EIP-1559を適用した送金だった。Etherscanのデータによると、本記事執筆時点でガス代の平均額は240gwei(1,480円相当)付近を推移している。
両者のコメント
DeversiFiの公式ウェブサイトでは、ガス代を支払わずに仮想通貨の取引や送金ができると、自社のサービスのメリットを説明。公式ツイッターアカウントでは当初、「不正確な高いガス代で入金が行われた」と公表しており、原因を調査中だと述べていた。
その際、顧客の資産がリスクにさらされているわけではないと強調し、DeversiFiの内部の問題であると説明。運営にも影響はないとしている。
その後、日本時間本日7時40分にDeversiFiは「対象ブロックのマイナーから7,626ETH(25.2億円相当)が返金された」と公表。返金額と実際に支払った金額の間にはまだ差があるようだが、詳細は明日に説明するとしている。
Bitfinexも今回の内容についてツイートを投稿。「今回の高い手数料は、サードパーティのシステムを統合したことによって起きた」と主張し、「DeversiFiが調査を行い、どのように対応するかを待っている」とした。
In transactions such as these, the fees are shouldered by third party integrations with Bitfinex. This has also been confirmed by DeversiFi in their recent statement. We look forward to DeversiFi's investigation and to their having this matter sorted on their side. https://t.co/OqwNTuLAel
— Bitfinex (@bitfinex) September 27, 2021
今回の手数料は、イーサリアムブロックチェーンで過去最高額と見られている。