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日米株式市場荒れ模様の中、ビットコインなど仮想通貨市場に力強さ 5万ドル水準迫る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

伝統金融市場の値動き

ニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価が一時、前週末比500ドル以上値下がりした。 これを受け東京株式市場では、日経平均株価が一時900円超の大幅下落となり、2万8000円台を割り込んだ。

投資家が”リスク回避”姿勢を強めた背景には、中国不動産大手「恒大グループ」の株式が香港証券取引所で売買停止措置となったことで、デフォルト(債務不履行)危機への警戒感が再燃したほか、米連邦政府の債務上限問題、約7年ぶりの高値となった原油先物(WTI)価格上昇などの影響でインフレ懸念が高まったことなど、複数の要因がある。

日本株の下落は、岸田首相が4日の記者会見で、「金融所得税」の見直しを検討する意向を示唆したことも背景にあるとされる。「一律20%(所得税15%、住民税5%)の税率を引き上げ、税収を増やして低所得者や中間層に配分する」ことなど経済格差を是正する富の再分配を検討するものとみられる。

今後、「2022年度税制改正」などで議論される見通しで確定事項ではないとされるが、対象先に株式の売却益や配当所得が含まれる場合、税制改正前の利益確定売りは免れず、中・長期的に株価が下落するリスクを孕むことになる。

一方、国内ではビットコインなど仮想通貨市場はすでに累進課税(最高税率55%)となっており、税制改正により富裕層がポートフォリオを組み替える過程で、一定の恩恵を享受する可能性もあるとの見方も。

仮想通貨市場の値動き

日米株式市場が軟調な中、ビットコイン市場は5日にかけて逆行高となった。

特に2020年以降、より規模の大きな伝統金融市場におけるリスクオフ局面に振り回されることも少なくなかったが、ここ数日は反応感度が下がっているようにも見受けられ、価格推移に主体性を取り戻しつつある。

BTCは、米国市場で売買が活性化する日本時間0時頃に米株市場の下落などにつられ、一時46,000ドル台まで急落する場面もあったが、その後急反発。結果的に前日比+3.23%の546万円まで続伸し、大台となる5万ドル回復に迫る勢いを見せた。

株式市場より先んじて下落トレンド入りしていた仮想通貨市場では、7月末を境に底打ち反転(トレンド転換)の様相を呈する。直近の急落局面では、デリバティブ(金融派生商品)市場の大規模ロスカットなどすでに複数回の調整をこなしており、需給面の改善が見て取れる。

関連:仮想通貨市場で大規模ロスカット発生 ビットコイン一時1万ドル幅の暴落

前週末の下降ウェッジ上抜けで勢い付いたBTCチャートでは、日足ベースで中期(75日)移動平均線が長期(200日)移動平均線をゴールデンクロス(上図:①)したほか、ローソク足の一目均衡表・雲もブレイクして「三役好転」が成立した。テクニカル的に良好なこともポジティブだろう。

米SECのゲーリー・ゲンスラー委員長発言で、「ビットコインETF(上場投資信託)」の承認期待が高まったほか、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性資産)の市場規模拡大が一過性のものではなく、継続して企業の関心を集めていることも好感されているものとみられる。

また、ブラード・セントルイス連銀総裁がインフレ高止まりに懸念を示したこともあり、ゴールドのような代替資産性を有するビットコイン(BTC)にインフレヘッジ的な買いが入った可能性も指摘される。元FacebookエグゼクティブのChamathPalihapitiya氏は、CNBCのインタビューにて「自信を持って言える。もはやビットコインの価値はゴールドに取って代わった。」などと評した。

そのほか、中国当局が規制強化して、同国内の大手マイナー(採掘業者)を厳しく取り締まる中、BTCハッシュレート(採掘速度)が大幅回復しつつあることも追い風だ。これは、ビットコイン・ネットワークの堅牢性向上とともに、分散化が進んでいることを示している。

関連:一時激減のビットコイン・ハッシュレート、今年5月の過去最高水準付近まで復帰

ただし、20年3月に発生した世界同時株安(コロナ・ショック)のように極端なリスクオフ局面が訪れた場合は、追証回避売りや手許資金確保のためにリスク資産全般で連れ安となる公算が高い。伝統金融市場ではテーパリング(量的緩和縮小)に伴う緩和マネーの巻き戻し懸念やデフォルト(債務不履行)リスクで先行き不安定な状況が強まっており、当面は警戒感が燻りそうだ。

関連:中国恒大集団のデフォルト懸念で仮想通貨も全面安、ロスカットは1800億円相当に

機関投資家の動向は

仮想通貨リサーチ企業CryptoCompareが21年9月30日に掲載した「 デジタル資産管理」のレビューによれば、過去7週間で、仮想通貨市場に計4億1100万ドルもの資金流入が確認された。

ビットコインの運用資産残高を示す「AUM(Assets Under Management)」は、今年9月に7.8%減少して351億ドルに。シェア率としては、21年4月以来の最低水準となる。その一方で、イーサリアム基盤の金融商品は、過去最高の市場シェアとなる25.9%に達した。

CryptoCompareの分析によると、中国の仮想通貨規制を受けた議会証言で、連邦準備制度理事会のパウエル議長が「ビットコインを禁止する方針はない」と回答したことも、機関投資家にポジティブな影響を与えた可能性がある。

多くの投資家は、ビットコインが”新しい資産クラス”としての評価を確立するにあたり、ポートフォリオへのエクスポージャー増加を真剣に検討しているとしており、今後資金流入がさらに加速することも考えられる。

関連:先週末にかけて仮想通貨高騰、NFT関連銘柄2つが過去最高値を更新した理由は

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