
ビットコイン現物ETFへ資金流入続く
米国の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の現物ETFは、本記事執筆時点で最新データが確認できる25日まで、12営業日連続で資金の純流入が続いている。
中東情勢の沈静化などに加え、ビットコイン需要の高まりの背景には、ドル指数の下落や米経済の先行きへの懸念があるとの見方がある。
ドル指数とは
複数の主要通貨に対する米ドルの「強さ」を示す指数のこと。
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以下のSoSoValueのデータによると、この12営業日の間で最もビットコイン現物ETFへの資金流入が多かったのは24日。この日の純流入額は約5.9億ドル(約850億円)だった。商品別に見ると、現在もブラックロックの「IBIT」が資金流入を主導している。

出典:SoSoValue
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ビットコインの現物ETFは、直接保有しなくてもビットコインのエクスポージャーが得られるなどのメリットがあり、機関投資家や個人投資家が購入している。上記のチャートを見るとETFの純資産総額とビットコインの値動きが連動していることがわかる。
ビットコイン上昇の背景
現在のビットコインの市況について、BRNのリサーチ部門のトップTimothy Misir氏は「The Block」に対し、ドル指数が2022年3月以来の低水準にまで下がっていることがデジタル資産の追い風になっているとの見方を示した。
そして、この状況が、価値の保存手段としてのビットコインの価値を高めていると主張。ドル指数とビットコイン価格は通常、逆の動きをする傾向にある。
最近ではトランプ米大統領が、利下げに慎重な米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の後任を早期に指名する計画であることが報じられており、FRBの独立性への懸念もドル指数を引き下げているとの見方がある。
他にもMisir氏は、世界銀行が米国の成長率予測を2.3%から1.4%に引き下げたこともビットコインの価格上昇に影響していると分析した。
そして、主に、米政府がビットコインを保有しようとしている動きがあること、企業の購入が加速していることから、資産としてビットコインが成熟してきているとも指摘している。