
仮想通貨企業特化の投資信託
日本の資産運用企業アセットマネジメントOne(以下、アセマネOne)は、世界の暗号資産(仮想通貨)関連企業の株を運用対象にした投資信託を販売することがわかった。日経新聞が26日に報じた。
販売開始は早ければ7月。米運用企業ヴォヤ・インベストメント・マネジメントと協業し、暗号資産取引所の運営企業など30社から60社の株に投資して運用するという。暗号資産関連企業に特化した投資信託は大手では初とみられる。
公式サイトによれば、アセマネOneは2016年10月に誕生した企業。DIAMアセットマネジメントやみずほ投信投資顧問らが統合することで発足した。投資顧問事業と投資信託事業の双方の事業領域での2025年3月末時点の運用資産残高は約69兆円である。
本記事執筆時点ではアセマネOneからの公式発表は確認できないため、これから商品の詳細を公表するとみられる。
暗号資産に注目
アセマネOneは、暗号資産への関心が高いことで知られる企業。例えば、2024年10月には以下の3点を提言として発表した。
- 暗号資産ETF等の組成等を可能とする諸制度の整備を進めるべき
- 暗号資産ETF等および暗号資産の現物取引の損益について、申告分離課税とすべき
- 暗号資産ETF等の組成等の対象として主要な暗号資産を優先すべき
なお、現在の日本の法律では投資信託に組み入れできる「特定資産」に、有価証券などは含まれるが暗号資産は含まれていないため、日本ではまだビットコイン等のETFは販売できない。一方で、暗号資産ETFを国内でも解禁できないかの議論は行われている。
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また、アセマネOneは今年3月、「ビットコインの動向に注目」と題した情報提供資料を公開。トランプ米大統領が暗号資産の備蓄を行う大統領令に署名したこと、ビットコイン(BTC)は価値の保存手段として注目されていることなどを記載していた。
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