米大手住宅ローン企業、仮想通貨決済を停止へ 

需要不足などにより仮想通貨決済を停止

米大手住宅ローン企業United Wholesale Mortgage(UWM)社は14日、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)による決済の受付を停止したことを発表した。需要不足や、規制の不確実性を理由として挙げている。

UWMは、9月に初めて仮想通貨による住宅ローン支払い受け付けに成功したと報告。10月にはさらに5件の仮想通貨による住宅ローン決済を行っていた。

これはUWMだけではなく、米国の住宅ローン業界にとっても初の試みだった。

UWMは、米国で2番目に大きな住宅ローン企業で、2020年には3,700億円相当の利益を上げている。

同社のMat Ishbia CEOは、今回の試験運用を停止したことについて、公式発表で次のように説明した。

仮想通貨による決済が、よりスピーディで、便利で、安価なソリューションであるかをテストしていた。当社の技術チームのおかげで、ビットコイン取引は成功した。

しかし、仮想通貨の分野では現在、コストの増加と規制の不確実性が存在しているところであり、現時点では、試験運用以上のことはしないという結論に至った。

住宅ローンの支払いで利用可能だったのはビットコイン、イーサリアム(ETH)、ドージコイン(DOGE)3銘柄。米メディアCNBCの報道によると、停止の背景には、この決済方法が商機になるほどの需要が確認できなかったこともあったという。

ただ、同社は今後も機が熟した時に、仮想通貨決済を再開する可能性も残しており、Ishbia CEOは次のように述べた。

今回のように試験運用と学習を行ったことで、仮想通貨取引が事業の推進力になった時に、それらによる決済をすぐに開始する準備をしておくことができた。当社は、仮想通貨やブロックチェーン技術、それらの使用機会について、引き続き注目していく。

UWMは財務資産として仮想通貨を保有しておらず、支払いで受け取った仮想通貨は、取引の時点で米ドルに即時変換していた。

仮想通貨決済導入のハードルは?

今回、需要の低さを理由の一つとして、UWMが仮想通貨決済を停止したことは、まだ日常的な決済でビットコインなどを使う層は限られていることも考えられる。

仮想通貨決済は、手数料や取引コストの削減、決済スピードの向上など多くの利点が見込まれるが、現時点ではボラティリティ(価格変動)の高さや、技術的な仕組みに慣れている人々が少ないことが、導入のハードルとして指摘されている。

また、入手した仮想通貨を商品の売買に使わず、長期的な値上がりを期待して「HODL」する投資家が多いことも背景にありそうだ。

米インターコンチネンタル取引所(ICE)のデジタル資産関連子会社Bakktが9月に発表した調査によると、対象となった米国の仮想通貨ユーザーの58%が、ビットコインなどに投資した目的を「長期投資(58%)」だと答えていた。

関連米国投資家、仮想通貨購入の動機は=Bakkt調査

HODLとは

価格の乱高下があったとしても、長期的な値上がりを期待して仮想通貨を持ち続ける態度のこと。言葉の由来は「Hold」の誤記とされている。日本で言われる「ガチホ」とも意味が近い。

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