BTC相場
18日の暗号資産(仮想通貨)市場。 引き続き軟調なビットコイン価格は58,500ドルまで続落するも、一目均衡表の雲上で下げ渋り、60,500ドルまで回復した。
ここ数週間はビットコイン先物ETFの歴史的な承認に伴う相場全体の高揚感が一服。目先の材料出尽くし感から、利益確定売りを呼び込んでいる。
市場からほぼ織り込まれていたとは言え、12日に米SEC(証券取引委員会)が、VanEckの現物ビットコインETFの申請を拒否したことで期待分が剥離したほか、金融引き締め思惑などを背景にドル・インデックス(DXY)が米長期金利ともに上昇したこと、米バイデン政権によるインフラ法案成立に伴う、暗号資産(仮想通貨)規制や課税の思惑などが、過熱気味の相場に冷や水を浴びせた。
短・中期上昇トレンドが崩れたことから、調整一巡後に再び高値を追えるかどうかは不透明な情勢であり、底抜けた場合5万ドル前半までの大幅下落も視野に入ることから依然として予断は許さない。一方、デリバティブ市場における信用整理が進んだこともあり、足元では売り超過水準に達しつつあるため、凌ぎ切れれば相応の反発も起こり得るか。
Glassnodeのデータを見る限り、永久先物の資金調達率の急低下は、高値圏で積み上がったレバレッジポジションの巻き戻しを示唆しており、OI(未決済建玉)含め着目したいところ。
オンチェーン分析
シリアルアントレプレナーVenturefounder氏のCryptoQuant投稿によれば、オンチェーンデータ(アウトフロー)は、過去数日間で90億ドル相当のイーサリアムが仮想通貨取引所から大量に外部送金されたことを指摘した。
Exchange Reserves(準備高)が上昇し続けた場合は米ドルなど法定通貨への換金売り、もしくは他コインへの乗り換えの兆候を、反対に減少し続けた場合は投資家のセンチメントがポジティブであることを示している。
今回のような急激なアウトフローの増加は、大口投資家の保有するイーサリアム(ETH)について、長期保有を前提にコールドウォレットなどに預け入れるための行動を示唆する。
アルト市場と個別銘柄
アバランチ(AVAX)が前日比+15%と高騰、過去最高値を更新した。Coinmarketcap(CMC)時価総額ランキング12位まで浮上している。
アバランチとは、高速かつ低コストなトランザクションを特徴とした、dApp(分散型アプリケーション)構築用のオープンソース・プラットフォームのこと。
上昇の背景としては、世界四大会計事務所の1つであるDeloitte(デロイトトーマツ)が、災害復旧用のプラットフォームの開発に、アバランチブロックチェーンを活用することが分かったことなどが挙げられる。
The @Deloitte Close As You Go platform, secured by the #Avalanche blockchain, gives orgs a decentralized, transparent and cost-efficient system for the flow of funding, helping to maximize disaster relief for those that need it most.https://t.co/tQma5d1YC9
— Avalanche 🔺 (@avalancheavax) November 16, 2021
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アバランチチェーンにロックアップされた合計値は、レイヤー1チェーンの中で4番目に位置する110億3000万ドルに達した。DeFi(分散型金融)プロトコルへの預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」の内、アバランチは4.27%の市場シェアを持つ。
イーサリアム(ETH)のエコシステムの中で、ETH-AVAXのブリッジは2番目の規模を誇る。今年8月には、AaveやCurveなど大手分散型レンディンプラットホームでDeFiの「流動性マイニング」を行うユーザーを対象に、インセンティブプログラム「Avalanche Rush」を実施することを発表した。
流動性マイニングとは
イールドファーミングを行う人達を惹き付けるため、流動性提供の対価として利息の他にガバナンストークンが付与されることを指す。イールドファーミングは、DeFi上で仮想通貨を預けて流動性を提供することにより利益を得ること。関連:初心者でもわかるAvalancheとは|注目点と将来性を解説
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