ルミス議員、パウエル議長の再任を不支持
米国のシンシア・ルミス上院議員(共和党)は11月30日のウォールストリートジャーナル(WSJ)に、暗号資産(仮想通貨)事業に関連して、連邦準備制度理事会(FRB)が役割を果たしていないとする論説を発表。
また、Decryptoが関係筋の話として報じたところによると、ルミス議員は、ジェローム・パウエルのFRB議長への再指名と、ラエル・ブレイナード理事の副議長への昇格を支持しないよう、他の共和党議員に働きかけているという。
「特別目的預託機関(SPDI)を妨げている」と批判
Lummis氏の批判は、特別目的預託機関(SPDI)をめぐるものだ。SPDIとは、2019年に米ワイオミング州議会が新しく金融機関の地位として制定したもので、仮想通貨企業が法的根拠を得て、カストディや資産管理サービスを提供できるようにする。なお、顧客の法定通貨預金で融資を行うことは禁じられている。
これまでに、仮想通貨取引所クラーケンや、デジタル資産銀行アバンティなどが、ワイオミング州からSPDIとして承認されてきた。
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しかしFRBは、まだこうした企業が中央銀行に口座を開設することを承認していない。このために銀行業務がまだ始められないままであるという。
ルミス議員は、これらの企業が保険やカストディ要件など、連邦準備法の下で銀行であるためのすべての条件を満たしているにも関わらず、承認が遅れていることは意図的なもので、妨害行為にあたると論じている。
ルミス議員はWSJに掲載された論説の中で、以下のように述べた。
パウエル氏とブレイナード氏は、責任ある金融イノベーションを促進したいと言っているが、FRBは、ワイオミング州でそれについて絶好の機会が与えられたときに、法的義務を無視することを選んだ。私はその理由を知りたいが、まだ答えは得られていない。
私の故郷であるワイオミング州における、デジタル資産に対するこの政治的なアプローチによって、FRBに対する私の信頼は大きく揺らいでおり、バイデン大統領が指名した両氏に対して懸念を抱いている。
ブルームバーグによると、上院銀行委員会のシェロッド・ブラウン委員長(民主党)は、パウエル氏とブレイナード氏の両方が上院で承認されるだろうとの予測を示した。
なお、エリザベス・ウォーレン議員など数名の進歩派民主党議員は指名に反対票を投じると表明しており、賛成票と反対票の差は縮まる可能性もある。
ワイオミング州の仮想通貨関連政策
ルミス議員を輩出したワイオミング州は、テキサス州やフロリダ州などと並んで米国内でも仮想通貨に対して先進的な地域の一つだ。
特別目的預託機関(SPDI)の他にも、4月には自律分散型組織(DAO)の法人化を正式に認める法案を成立させた。
DAOとは
「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。
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