はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム創設者ブテリン氏「検閲耐性とスケーラビリティの両立は可能」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

検閲耐性とスケーラビリティを両立させる方法

暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの共同設立者であるヴィタリック・ブテリン氏は6日、公式ブログで、イーサリアム2.0を念頭に置きつつ、ブロックチェーンの高い検閲耐性を保持しながらスケーラビリティを向上させる方法を考察した。

背景として、1秒間に何千件もの取引が行われる規模のブロックチェーンでは、ブロックを作成したりチェーンを検証したりする完全参加型のノードを稼働できる参加者の数が、数十から数百のノードに限られてしまうことがある。

このようにノードが集中すると、それらによる検閲(取引の取り消しや書き換えなどの介入)の懸念が浮上すると考えられている。

ブテリン氏提案の解決策

出典:ヴィタリック・ブテリン

まず、ブテリン氏はステーキングの第二段階目を、リソースをあまり必要としない方法で導入し、分散型のブロック検証を行うことを提案。中央集権型のノードが第一段階の検証を行った後、より多様なノードにより検証を行うというものだ。

さらに、不正証明(fraud-proof)やZK-SNARKsなどの導入、ユーザーがブロックの有効性を確認できるサンプリング手法、検閲を防ぐための二次的な取引チャンネルの追加などを挙げた。

zk-SNARKsとは

zk-SNARKsとは、証明方法の一種であり、「Zero Knowledge Succinct Non-Interactive Argument of Knowledge」の頭字語だ。ブロックチェーン領域では主に、レイヤー2技術や匿名性の高いブロックチェーン構築の際に活用されている。

▶️仮想通貨用語集

ブテリン氏は、こうした解決策を導入することで、検閲耐性などの課題が解決するとして次のように述べた。

(以上の解決策を導入した後で)ブロック生成はまだ中央集権的だが、ブロックの検証は信頼性が高く、高度に分散化されたものとなり、ブロック生成者が検閲するのを防ぐ、特殊な検閲防止策が設置されたチェーンが完成する。

ロールアップでも分散化維持は可能

さらに、ブテリン氏はロールアップに関しても論じた。

ロールアップとは

イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する方法の一つ。メインチェーンの外で取引を実行するレイヤー2ソリューションである。

▶️仮想通貨用語集

出典:ヴィタリック・ブテリン

ロールアップについても、上図のようにシャーディングを行って、限られたノードが集中的にブロック生成を行った後に、64個のシャードに分割してブロックの検証を行うことで、検閲耐性を持ち、高度に分散化された体制が可能になるとしている。

シャーディングとは

ノードを幾つかのグループに分割して、同時並列でトランザクションの検証作業を行う技術。イーサリアムの送金遅延や手数料増加など「スケーラビティ問題」に対する解決策の一つ。 データベースを水平方向に分割、検証作業を並列化することで処理能力の大幅向上が見込める

▶️仮想通貨用語集

さらに、マイナーがイーサリアム・エコシステム上の、様々なブロックチェーン間の価格差を利用して収益を得るMEV(Miner Extractable Value:マイナー抽出可能収益)により、分散効果が薄れる現状も指摘し、これについての対策も提案した。

ロールアップにおいて、スロットごとにブロック生産をオークションにかける仕組みを実装したり、イーサリアムのベースレイヤーではPBS(Proper/Builder Separation:提案者/構築者の分離)を実装することで、ステーキングの過度な集中を防ぎ、検閲耐性を保持することができると述べている。

PBSとは

Proper/Builder Separation(提案者/構築者の分離)の略。ブロック構築者(Builder)とブロック提案者(Proper)の役割を分割すること。構築者の生成したブロックを、提案者がオークションにより入手することで、一つのアクターが恣意的に行動することを防ぐ。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:00
米上院議員、仮想通貨市場明確化法案の年内成立を目指す
シンシア・ルミス米上院議員は、仮想通貨規制の明確化を図るクラリティ法案の年内成立を目指すと発表した。先月発表された上院の独自案ではなく、超党派の支持を得た下院案を基本法案とする方針に切り替え、11月末にはトランプ大統領への提出を見込んでいる。
13:40
ゴールドマンサックスとベッセント財務長官、ステーブルコイン急成長を予測
米財務長官とゴールドマンサックスがステーブルコイン市場の急拡大を予測。規制整備により数兆ドル規模の成長期待が高まる中、JPモルガンは慎重姿勢を示す。
12:50
「ビットコインは2030年までに100万ドルへ」コインベースCEOが強気予想
コインベースCEOが2030年のビットコイン価格を100万ドルと予想した。機関投資家流入など強気シナリオの要因を挙げている。仮想通貨の今後のユースケースについても話した。
12:00
「多様なイノベーション促進へ」金融庁・今泉参事官が語る、暗号資産規制やETFの展望
金融庁の今泉宣親・暗号資産ブロックチェーンイノベーション参事官が語る、ビットコインETF、制度改革、ステーブルコインの展望。利用者保護とイノベーション両立への取り組みを詳述。
12:00
ビットバンク廣末社長が語る、ビットコインとの出会いと今後の展望|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のタイトルスポンサーとしてブース出展を決めた、ビットバンク廣末紀之社長独占インタビュー。オリコン顧客満足度2年連続1位の暗号資産取引所が語るWeb3時代の資産形成戦略とWebX2025への展望を聞く。
11:30
明日にジャクソンホール会議パウエル講演控える中、仮想通貨相場反発
ビットコインが前日比1.17%上昇する中、機関投資家によるイーサリアム大量購入が継続。Bitmine Immersionが52,475ETH追加で総保有額66億ドル近くに。一方、個人投資家のアクティブアドレス数は8月に28%減少し、ビットコイン・イーサリアム現物ETFからも大幅流出。ジャクソンホール会合でのパウエル議長発言が今後の相場を左右する見通し。
10:50
アーサー・ヘイズ、幹細胞事業に投資
ビットメックスの創設者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏が幹細胞クリニック事業に大規模投資し取締役就任。先週売却した仮想通貨を1050万ドルで買い戻し、「利益確定はもうしない」と方針転換。
10:05
イーサリアム財団、セキュリティ強化の行動指針発表
イーサリアム財団は、Trillion Dollar Securityのプロジェクトについて行動指針を発表。仮想通貨イーサリアムの広範な調査を経て、まずはユーザー体験の安全性を強化する。
09:40
米ブロックチェーン協会ら、ステーブルコイン利回りに関する「ジーニアス」改正案に反対
米ブロックチェーン協会らが、銀行協会提案のステーブルコイン利回り規制強化に反対している。「ジーニアス」法案の改正案にいくつかの論点から異議を唱えた。
08:35
米ナスダック、BNB保有企業WINTの上場廃止決定 株価75%超暴落
米ナスダックがBNB投資企業ウィンドツリー・セラピューティクス(WINT)の上場廃止を決定。株価が最低価格1ドルを下回り、今年99%以上下落。
08:00
RWAトークン取引所「DigiFT」、計37億円の資金を調達
RWAトークンの取引所DigiFTは、現在までで合計約37億円の資金を調達したことを発表。直近の資金調達ラウンドはSBIホールディングスが主導している。
07:45
トークン化株式「xStocks」、トロンのブロックチェーンに拡大へ
クラーケンとBackedは、TRON DAOとの協業を発表。株やETFをトークン化して取引できるようにするサービスのxStocksを、仮想通貨トロンのブロックチェーンに対応させる。
07:25
ウィンクルボス兄弟、仮想通貨PAC団体に188BTC追加寄付 トランプ政権支援強化
ジェミニ取引所創設者ウィンクルボス兄弟がデジタル・フリーダム・ファンドPACに2,100万ドルをビットコインで寄付。仮想通貨政策推進とトランプ政権支援を表明。
06:20
米仮想通貨現物ETFから資金大量流出、FRB政策に不透明感
米国の仮想通貨ビットコインETFから1日で5.23億ドル、イーサETFから4.22億ドルの大量資金流出。FRB利下げ期待後退とインフレ懸念で機関投資家がポジション調整か。
05:45
米FRB理事、ステーブルコインの可能性を評価
FRBウォーラー理事が仮想通貨決済技術を「新技術に過ぎない」と評価。ステーブルコインの小売・国際決済改善効果とドル国際化への貢献可能性を強調。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧