テストネット「Sandbox」がローンチ
ブロックチェーン基盤の強固なプライバシーウェブサービスの提供を目指すNym Technologyは22日、メインネットのローンチを目前に控え、常設テストネットとなる「Sandbox(サンドボックス)」のローンチを開始した。
Announcement 📢
— Nym (@nymproject) December 21, 2021
Nym Sandbox, our permanent testnet is out! Read our blog to see what's new, the vision going forward and how you can test things out!https://t.co/Tft0TTfgWd pic.twitter.com/H368Zz9w2K
今回のSandboxは、第3回目のテストネット「Milhon」に続く、4回目かつ最終バージョンのテストネットとなる。このテストネットはメインネットで実装されることになる全ての機能を備えており、Nymで作成したアプリの動作をメインネット環境で試用することができるものだ。
近日中に正式ローンチ予定であるNymメインネットとも並行して運用されることになっている。今後、Nymネットワークにおけるすべての新機能は、Nymのメインネットで利用可能になる前に、まずSandboxにおいて実装され、ユーザーや開発者たちによってテストされることになる。
主な機能
Sandboxには、Nymメインネットのトークンエコノミーを再現するために設計された「NYMT」と呼ばれるテストトークンが含まれている。これは、メインネット上で発行されることになる「Nymトークン(NYM)」の擬似版とも言えるものだ。
Nymメインネットと異なり、Sandbox自体にはインセンティブ・メカニズムは備わっておらず、NYMTトークンも実世界での実用性はないものの、Nymメインネットでの報酬共有システムや経済性、その他のメカニズムをテスト環境においてデモするために用意されている。
Nymのマーケティング部門長のAdin Heric氏は、今回のテストネットのローンチについて以下のようにコメントした。
私たちは一歩一歩、データ搾取という行為を技術的に不可能とし、それを社会的に不要なもの、かつ経済的にも望ましくないものとするゴールに近づいて来ている。
Nym Technologyについて
11月にa16zなどから約15億円を調達して注目を集めたNym Technologyは、2018年にHarry Halpin氏、Claudia Diaz氏、Dave Hrycyszyn氏の3人によってスイスで設立。ミックスネット、匿名認証、暗号通貨経済の3つの主要な技術分野において、10年以上に及ぶ研究のもと開発を続けている。
NymのHarry Halpin CEOは、2018年に会社を設立する前には、ワールド・ワイド・ウェブの発明者であるティム・バーナーズ=リー氏とともにWorld Wide Web Consortiumで勤務していた経歴を持つ。
Halpin氏によれば、「Nymミックスネット」による分散型の通信暗号化技術は、現在代表的なプライバシーサービスとして知られるVPNやTorネットワークと異なり、国家レベルの大規模なデータ監視にも耐性があるという。
関連:サービスとしてのプライバシー機能を提供するNym Technology(ニム・テクノロジー)とは