SelfWealth、仮想通貨取引を提供へ
オーストラリアの証券取引プラットフォーム「SelfWealth」は、暗号資産(仮想通貨)取引所BTC Marketsと提携し、ユーザーに仮想通貨取引を提供すると発表した。オーストラリアの従来型株式ブローカーが、こうしたサービスを提供するのは初のことになる見込みだ。
現在はオーストラリア当局の承認を待っているところで、投資家は2022年第2四半期から、5つの仮想通貨銘柄を取引できるようになる予定だという。取り扱い銘柄や手数料などの詳細は、まだ明かされていない。
SelfWealthは、21年7月の時点から、近い将来に仮想通貨取引サービスを追加したいとの意向を発表していたところだ。同じ頃、3,500人の顧客を対象とした調査の結果を報告。それによると、回答者の30%がすでに仮想通貨に投資しており、38%が将来デジタル資産に投資する予定だと回答していたという。
SelfWealthのCath Whitaker CEOは、この結果について「ミレニアル世代だけが仮想通貨を保有しているわけではない」ともコメント。新たな取引サービスは、こうした顧客の需要に応えるものともなりそうだ。
SelfWealthによると、同社はオーストラリアで4番目に大きいオンライン証券プラットフォームだ。12万人近くのアクティブユーザーと、約80億ドルの管理資産を有しているとされる。
ミレニアル世代とは
一般的にミレニアム(新千年紀)が到来した2000年前後以降に社会に進出する世代という意味で、1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた世代を指す。ジェネレーションYと呼ばれることもある。
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両社CEOの見解
SelfWealthとBTC MarketsのCEOは、Financial Reviewでインタビューに応じている。両氏は、ビットコイン(BTC)が、21年11月から22年1月にかけて50%以上下落するなど、引き続きボラティリティ(価格変動)が大きいことについても意見を求められた。
SelfWealthのCath Whitaker CEOは次のように答えている。
取引サービスをリリースするには良い時期だと思う。ビットコインは投機的な性質を持っているが、下落局面はチャンスでもある。また、ビットコインは価格を取り戻しつつあるところだ。
BTC MarketsのCaroline Bowler CEOも、この見解に賛同した。5年以上ビットコインに投資している人は、こうした市場の変動サイクルを見慣れているとも指摘している。
両社が提携して開設する取引プラットフォームでは、投資家が、仮想通貨についての知識を学べる教育機能も準備する計画だという。
BTC MarketsのBowler氏は、既にSelfWealthのアカウントを持っている場合、新しくBTC Marketsのアカウントを開設する必要はないと話した。仮想通貨や各種証券などを一つのアカウントで取り扱えるようになるとしている。
オーストラリアの最大手銀Commonwealth Bankも昨年末に米Geminiと提携し、仮想通貨のサービスを2022年に提供する予定を発表した。また、オーストラリアでは仮想通貨の関連金融商品も取引され始めたところだ。昨年11月に仮想通貨マイニング企業のパフォーマンスを追うETF(ティッカー:DIGA.CXA)が同国のデリバティブ取引所Chi-Xに上場した。