若い世代へのアピールか
世界最大級のオンラインマーケットプレイスを運営する米eBayのCEOは28日、金融系メディアThe Streetの取材で、暗号資産(仮想通貨)決済を導入する可能性を示唆した。現在eBayには仮想通貨を受け入れるユーザーはほとんどいない。
同社のJamie Iannone CEOは取材で、仮想通貨決済の導入についてはZ世代(1990年代半ばから2000年代前半生まれの世代)を新たな顧客層とする戦略の一環として検討されており、すでにはGoogle PayやApple Pay、オーストラリアのAfterpay(後払い決済サービス)などにも対応していると話した。仮想通貨決済の導入方針に関しては、3月10日に詳しく発表する予定があるという。
若い世代のテイストに合わせる戦略としてはNFT取引を可能にした事例もある。昨年5月に、eBayは自社のポリシーを変更し、NFT(非代替性トークン)の販売を行えるようにすると発表した。
NFT取引について、Iannone CEOは同取材で、「実際NFT取引については特に大きな発表はしなかったが、ユーザーはすでにプラットフォーム上でNFTを売買している。この現象は、eBayに車売買の事業がなくても車が自由に売買され始めたときのことを思い出させてくれる」、「これからeBayは現物のグッズとデジタルアイテムも取引できる場所になっていく」と語った。
eBayはインターネット黎明期の1995年、プログラマーのPierre Omidyar氏が、個人的なオークションサイトとして同社の前身である「AuctionWeb」を立ち上げて事業を開始。現在はナスダックに上場している世界有数のeコマースサイトだ。公式ホームページによると、190カ国でオンラインマーケットプレイスを展開している。
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