イスラエル、ハマスの仮想通貨を押収
イスラエル防衛省のテロ資金供与対策局は28日、パレスチナのイスラム主義政党「ハマス」関連の暗号資産(仮想通貨)アドレスを押収したことを発表した。
イスラエルのBeni Gantz防衛大臣は、ハマスとの関係性からテロ組織に認定しているシャムラック家関連の企業が保有する12のデジタル口座と30デジタルウォレットを押収。数千シェケル分の仮想通貨を保管していたというものの、具体的な金額は明かしていない。
シャムラック家は多数の取引所・企業を運営しており、ハマスの武装部隊に年間数億円の資金を供給する一族。イスラエル政府からテロ組織に指定されている。
Gantz防衛大臣は以下のようにコメントした。
我々は、テロとそれに経済的な「酸素」を供給している企業に対処するための手段を引き続き拡大している。
情報、作戦、法的な協力について、すべての組織に祝意を表す。我々は、あらゆる方法、あらゆる手段でテロと戦うために、引き続き一体となって取り組む。
発表によれば、押収された仮想通貨の中には、シャムラック家が直接保有していた仮想通貨も含まれていたという。
イスラエルの仮想通貨押収事例
イスラエル政府はこれまでにもハマス関連の仮想通貨ウォレットを押収してきた。
21年7月には84のハマス関連の仮想通貨アドレスを押収。8.5億円相当のテザー(USDT)やビットコイン(BTC)、トロン(TRX)やイーサリアム(ETH)を没収した。
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その後、21年12月にも47の仮想通貨アドレスを差し押さえていた。ハマス関係者は21年6月以降、仮想通貨による寄付(テロ資金供給)が増加していたと米メディアに明かしており、イスラエルとパレスチナの紛争が続く中、ハマスの弱体化を図る手段として仮想通貨ウォレットの押収に至っている格好だ。