大規模押収へ動くか
イスラエルのテロ資金供与対策局はパレスチナのイスラム主義政党「ハマス」に属する84の仮想通貨アドレスに対して、差押命令を発表した。
これらのアドレスは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)、XRP(リップル)、ステラ(XLM)、ドージコイン(DOGECOIN)、トロン(TRX)、テザー(USDT)を保有。追跡に協力したブロックチェーン分析企業Ellipticのブログによると、これら84のアドレスはこれまで、8.5億円相当の資金を受けていたという。
また、イスラエル当局はこれらのアドレスがハマスに関わる7名のパレスチナ人が所有するものとした。EU、米国、及びイスラエルはハマスおよびその軍事部門al-Qassam Brigadesを「テロ組織」と指定している。
一方、Ellipticはブログで、「これら全てのアドレスがテロ組織の資金に関与していない可能性もあるため、統計の時は、マルチユーザーが送金する取引所のアドレスを取り除いている」と説明。また、The Blockの取材に応じた同社の共同創設者Tom Robinson氏は、「一部のアドレスは今も利用されており、取引所の入金アドレスやブローカー関連のものもある」と話した。
現時点では、差押命令が出されたものの、アドレスの資金に対する押収はまだ行われていない。
イスラエルの防衛省は、アドレスの所有権主張について、「差押命令に記されているアドレスにある資産の所有権を主張したい者はテロ資金供与対策局へ報告してください」と発表している。
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