アメリカンバンク顧客に仮想通貨取引を提供へ
暗号資産(仮想通貨)プラットフォームを提供する米Bakktは6日、米アメリカンバンクとの提携を発表した。アメリカンバンクの顧客に、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の取引機能を提供する。このサービスは2022年の第2四半期(4月〜6月)に稼働する予定だ。
アメリカンバンクは、ペンシルベニア州に本社を置いており、25年に渡って地元密着型の銀行としてサービス提供している銀行。早くからオンラインバンキングにも注力しており、顧客を全米に抱えている。
アメリカン・バンクのマーク・ジェインドルCEOは、提携について次のように述べている。
オンラインバンキングにおけるイノベーションを率先して取り入れていく銀行として、私達は常に、お客様のバンキング体験を向上する方法を模索している。
Bakktの提供する機能により、仮想通貨を既存のデジタルバンキング・プラットフォームにスムーズに統合し、お客様との関係を強化することができる。
また、周辺地域では、仮想通貨取引へのアクセスを提供する最初の銀行になれたとも続けた。
「銀行を利用した仮想通貨投資」への需要
Bakktの最高収益責任者であるシェーラ・ゼムリン氏は、「消費者の貯蓄や投資の習慣は常に変動しているが、仮想通貨に対する消費者の興味や関心がこれまで以上に高まっている」と述べた。
ゼムリン氏は、金融関連コンサルティング企業Cornerstone Advisorsが2月に米国の消費者を対象として行った調査結果を参照し、「消費者は既存の銀行から仮想通貨にアクセスすることを望んでいる」とも続けている。
Cornerstone Advisorsの調査によると、すでにビットコインなどの仮想通貨を保有している米国人のうち、半数以上が「もしそうした選択肢がある場合には間違いなく、銀行を利用して仮想通貨に投資するだろう」と答え、さらに42%は「銀行を利用して投資する可能性がある」と回答していた。
ゼムリン氏は、銀行が仮想通貨への参入を実行するには、今後数か月から数四半期という早いうちが最適であり、それより遅くなると他の金融機関に取り残される可能性もあるとの意見を述べた。今回、アメリカンバンクもこうした意見に共鳴したという。
Bakktはここ数週間、Variance BankやHanover Bankなど、他の地方銀行や地域密着型の銀行とも、同様の契約を発表している。昨年も、12月にニュージャージー州のManasquan Bankと提携し、同行顧客が仮想通貨売買や保管を行うことを可能にした。
Bakktは、インターコンチネンタル取引所が2018年に機関投資家向けの商品とカストディに焦点を当てて立ち上げた企業である。その後は、リテールに特化したアプリの提供に軸足を移しているところだ。
21年には、顧客が口座にあるビットコインや現金の残高を利用し、オンラインおよび実店舗で支払えるVisaデビットカード「Bakktカード」をリリース。Apple PayやGoogle Payにも対応している。
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またBakktは、21年10月、ニューヨーク証券取引所(NYSE)へSPACによる上場を行った。