葡銀行傘下の仮想通貨取引サービス
ポルトガルの中央銀行(Banco de Portugal)は暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダー(VASP)として、同国の銀行Bison Bankの子会社を認可したことがわかった。中央銀行の公開資料によると、ポルトガル銀行がVASPライセンスを認めたのは今回が5件目。
新たにVASPとしてライセンスを受け取った「Bison Digital Assets」は、仮想通貨と法定通貨の取引所サービスをポルトガル内で提供する。また、仮想通貨の転送サービスや仮想通貨の保管や管理が認められる。
14日付けの現地メディアSapoによると、Bison Digital AssetsはBison Bankが完全な所有権を有し、21年12月に商標権が取得されている。Bison Bankは香港の民間資本が全額出資する欧州銀行。リスボンに本社を置き、欧州、香港、中国本土、アフリカなど幅広い地域で事業を展開している。
ポルトガルでは、21年4月にVASPの登録を義務付ける法案が施行された。同6月に仮想通貨取引所CriptolojaとMind the Coinが、仮想通貨サービスプロバイダーとして初めて登録されていた。
同国の中央銀行であるポルトガル銀行はVASP事業の登録、そしてマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)のコンプライアンスを確認する。中央銀行の認可するVASPライセンスはAMLとCFTの遵守を確認する責任のみに限られており、市場活動やプルデンシャル(各種金融リスク)など他の分野には適用されない。
欧州のVASP認可
欧州の規制当局は、デジタル資産に関心を寄せる一方で仮想通貨発行・取引に対する包括的な規制整備を進めている。こうした動きは、国際的な規制機関であるFATF(金融活動作業部会)が推進する仮想資産サービスプロバイダー(VASP)ルールに準拠している。
隣国のスペインでは21年10月に、仮想通貨と法定通貨の交換、及びウォレット保管サービスを提供する上で中央銀行(Banco de España)の電子登録システムへの登録申請が必要となった。22年2月にはスペイン最大の暗号資産(仮想通貨)取引所「Bit2Me」が、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)として初めて登録されていた。