スノーデン氏も関与
米国家安全保障局(NSA)の元職員エドワード・スノーデン氏が、暗号資産(仮想通貨)ジーキャッシュ(ZEC)のネットワーク稼働時に協力していたことが明らかになった。
スノーデン氏は2013年5月、NSAによる広範な個人情報の収集活動を内部告発した人物。米政府が国民のプライバシーを侵害していることをメディアで公表し、米当局からスパイ容疑で起訴されて以来ロシアに亡命している。
28日に配信されたZcashMediaのYouTube動画で、匿名通貨ジーキャッシュ(ZEC)を作成する際に生じた秘密鍵の一部を6人で個別管理するセレモニー(トラステッド・セットアップ)に、スノーデン氏が参加していたことが明かされた。
ジーキャッシュはビットコインのコードを元に暗号技術の一つ「ゼロ知識証明(ZK-SNARKS)」を導入し、ユーザーのプライバシーを強化することを目的に作成された。ZK-SNARKSの課題の一つは、ネットワーク開設者に対するトラスト(信頼)が必要であること。ZK-SNARKSのパラメータ設定時に生成された秘密鍵がネットワーク開設後に破壊されないと、鍵を悪用してコインを偽造できてしまう。
鍵の断片はジーキャッシュの創始者であるズーコ・ウィルコックス(Zooko Wilcox)氏やビットコインのコア開発者ピーター・トッド氏等を含む6名が保有し、セレモニーのラストに破壊されたという。
スノーデン氏は先述の動画で、ジーキャッシュへの協力は無償であり、ZECを一切保有していなかったことを明かしている。同氏はまた、プライバシーを重視する仮想通貨の重要性について以下のようにコメントを寄せた。
ビットコインはとても有名だが台帳は公開されている。その問題点は真に自由な取引ができないこと。自由な取引なくして自由な社会はありえない。
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