CoinPostで今最も読まれています

ビットコインの下落止まらず昨年最安値割り込む、USTの影響でLUNA下落率は前週比-99%に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

11日のニューヨーク株式市場は、ダウ平均株価が前日比325.63ドル(1.02%)安、ナスダック総合指数が前日比373.44ドル(3.18%)安と大幅続落した。

インフレを抑えるための金融引き締めの加速が懸念される中、11日夜に発表された4月の「米消費者物価指数(CPI)」が市場予想より高止まりしたことが背景にある。

パウエル議長は6月と7月の大幅利上げを示唆しており、リセッション(景気後退)への警戒感が強まっている。

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインが前日比8.6%安の377万円(ドル)と大幅安に。

BTC/USD日足

BTCはついに昨年最安値を底割れ、20年12月以来の水準となる27,682ドルまで下落した。

bybit

足元は明確に売られすぎ水準にあるものの、米株市場は依然高値圏にあるとの見方もある。市場のリスクオフは、FRB(米連邦準備制度)の金融引き締めに端を発していることから、上昇の続く米長期金利や高止まりするインフレ指数が落ち着かない限り、さらなるダウンサイドリスクが懸念されるだろう。

ビットコイン(BTC)の次の主要サポートラインは2017年の最高値である20,000ドル付近とやや離れた位置にあり、ネガティブな材料相次ぐアルトコイン市場もパニック売りの様相を呈するなど市況感は悪化する一方だ。

ビットコインが6連続で週足陰線を付けるのは、2014年以来8年ぶり。

出典:Arcane Research

大幅続落の背景としては、ナスダックなど米主要株価指数の大幅下落に伴うセンチメントの悪化と、Terraform Labsが発行するアルゴリズム(無担保)型ステーブルコインの「UST(TerraUSD)」の影響が挙げられる。ステーブルコインの役割として機能すべき米ドルと1:1の価値を外れ(depeg)、USTが激しく乱高下したことが市場の動揺を誘った。

UST/BUSD

ステーブルコインとして第3位の規模にまで成長したUSTと価格維持アルゴリズムの仕組み上密接な関係にあるLUNAはデススパイラルに陥り、下落に歯止めが掛からず暴落。前日比-96.5%、前週比-99.2%に達した。

LUNA/USD

TerraformLabs(TFL)開発の主要レンディングプロトコル「Anchor Protocol」など、DeFi(分散型金融)市場における信用不安も市場心理の悪化に拍車をかけた。

TFLがDeFiプロジェクト「Curve」の流動性プールからUSTの流動性が抜いたタイミングと前後して、特定の大口ウォレットがUSTの大量売却を行ったことが確認されており、組織的なdump(相場操縦行為)や機関投資家の関与を疑う声もあがった。

関連:無担保型ステーブルコイン 「TerraUSD」が対米ドルで一時前日比40%下落

USTを預け入れたユーザーに高利回りを提供してきたAnchorは11日、「テラのペグ復元のための緊急措置」として、APR(年換算利回り)の大幅引き下げを発表した。

分散型金融のAnchorでは短期間で預かり金が激減し、銀行の取り付け騒ぎ(信用危機)のような事態に発展していた。緊急措置を講じ、リザーブ資金枯渇の影響でTFLがUSTを追加する必要がなくなることで、デペグのデス・スパイラルの抑止につなげる目的がある。

大手暗号資産取引所Huobiの研究部門であるHuobi Research Instituteのアナリスト2名は、新たに発表した市況レポートで「まだ相場の底には達していない」と結論付けた。

実現利益と損失の差を測定する「純未実現利益/損失(NUPL:Net Unrealized Profit/Loss)」を基にした分析を根拠に、「バリュー投資をするのであれば、買いを控えるべき」と指摘している。

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア